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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2020年8,9月合併号 No.382-383

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■トピックス:学会名称変更に関する会員アンケート結果
■私の提言:品質管理教育の社会への貢献
・PDF版はこちらをクリックしてください → news382-383.pdf

トピックス
学会名称変更に関する会員アンケート結果

庶務委員会委員長 金子 雅明

 1.アンケート実施概要
 2020年の創立50周年を契機に、学会名称の変更検討の一環として、2019年8月から9月にウエブアンケートを行いました。準会員/公共会員を除く、メールアドレスの登録がある会員1,879名(個人会員1,745名、賛助会員134名)に回答URLを送付し、URLをクリックしたのが1,384名、そのうち有効回答数は1,102名でした。質問内容は、学会名称を変更したほうが良い/しないでよいとその理由(自由記述)、及び名称変更する場合の日本語・英語名称についてです。アンケートの主な結果をご紹介します。なお、結果の解釈は人によって異なるため、得られた事実のみ報告します。

 2. 主要なアンケート結果
<変更する/しないの回答率とその理由>
まず、学会名称に対して“変更したほうがよい”が40.1%、“変更しないでよい”が58.1%でした(回答なしが1.8%)。回答者の約6割が“変更しないでよい”と選びました。その理由527件をグルーピングしたところ、289件(54.8%)と最も多かった理由は「現在の名称にメリットがある」でした。主な意見は、名称が浸透して知名度がある、現学会名称と活動が一致してわかりやすい、伝統がある等です。次に多いのが107件(20.3%)の「名称変更以外による問題へのアプローチ」であり、主な意見は名称変更しても(品質管理を狭義に捉えすぎる)問題は解決しない、活動をもっと普及する施策を打つべき等でした。3番目に多いのが「名称変更自体には否定的でない」で66件(12.5%)でした。主な意見は、変更する理由が明確になっていない、もっと議論が必要である、でした。
 一方、4割の回答者が“変更したほうがよい”と回答しました。その理由322件もグルーピングしました。一番多かった理由から順に、50件(15.5%)の「モノ・ハードウエアのみを対象としている」、39件(12.1%)の「管理=統制、監督、規制という誤解がある」、34件(10.6%)の「時代の変化・要請・ニーズに対応して変えるべき」、27件(8.4%)の「Controlが意味する範囲が狭い」、23件(7.1%)の「製造プロセス・製造現場でのみの活動と捉えている」などです。
<新たな学会名称に関する回答結果>
“変更したほうが良い”と回答した4割の会員のうち、日本語名称のみ変更が13.8%、英語名称のみ変更が5.7%、日本語・英語名称の両方ともに変更が80.5%です。日本語名称に関しては、あらかじめ用意した4つの選択肢に対する回答が全体の87.3%を占めており、内訳は「日本品質マネジメント学会」が34.9%、次いで「日本品質学会」が28.8%、「日本品質経営学会」が16.1%、「日本顧客価値創造学会」が7.5%です。これら選択肢以外では41の候補が挙げられており、「日本クオリティマネジメント学会」「日本質マネジメント学会」「日本TQM学会」「日本クオリティ学会」「日本品質創造学会」の順で、複数回答が多く見られました。
 英語名称に関しては、あらかじめ用意した3つの選択肢に対する回答は全体の92%を占めており、「The Japanese Society for Quality Management (JSQM)」が50.9%、「The Japanese Society for Quality (JSQ)」が31.1%、「The Japanese Society for Customer Value Creation (JSCVC)」が10.0%です。これら選択肢以外では28の候補があり、そのすべての回答数が「1」でした。
<賛助会員との比較>
賛助会員とそれ以外の会員に層別して比較も行いましたが、全体とほぼ同じ回答傾向であり、顕著な違いはありませんでした。唯一、賛助会員の方が、経営やManagementという言葉が含まれた名称を選択する傾向がより強く見られました。
<賛助会員を除いた、会員の年齢別回答傾向>
賛助会員を除いた全会員の、年齢別回答傾向も見てみました。その結果、40歳から60歳の間は“変更したほうが良い”よりも“変更しないでよい”の回答数がかなり上回っていることがわかりました。40歳以下、及び60歳以上では、両者の回答数には大きな差異は見受けられません。

 3. 最後に
 このアンケート結果を踏まえて、事会で慎重に検討しています。議論が不十分なまま拙速に結論を出すつもりはありませんので、49期だけでなく50期も継続審議していく可能性があります。


私の提言
品質管理教育の社会への貢献

(有)福丸マネジメントテクノ 福丸 典芳

 学習指導要綱が10年ぶりに改訂され、小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度から新しいカリキュラムになります。この目指すところは、学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」、実際の社会や生活で生きて働く「知識および技術」および未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」です。
 これをもとに、小学生の算数では、データの収集・分析によって、その傾向を踏まえて課題を解決し、意思決定する力を育成することが重視されています。これはデータのとり方・まとめ方に関するものであり、3年生では棒グラフの特徴とその用い方、4年生では折れ線グラフの特徴とその用い方、5年生では円グラフや帯グラフの特徴とその用い方、平均の意味、6年生では代表値の意味や求め方、度数分布を表す表やグラフの特徴と使い方、さらに目的に応じてデータを収集したり適切な手法を選択したりするなど、統計的な問題解決の方法を知ることが求められています。
 中学の第1学年ではヒストグラム、相対度数、確率、第2学年では四分位範囲、箱ひげ図、第3学年では標本調査と母集団、高校の数学Ⅰでは分散、標準偏差、散布図及び相関係数の意味やその用い方を学習します。
 このため、これらの統計に関する学習をサポートするため、日本品質管理学会は社会貢献の一環として、小学校から高校まで学ぶ統計に関するわかりやすいオンライン無料動画を提供することが急務です。このような活動により日本品質管理学会が社会に認められ、その知名度向上にも役立つと思います。
 参考として私は次のような活動をしました。3月からのコロナウイルスの拡散により学校が休校になり、自宅で親が子供に教える機会が多くなってきています。しかし、親からデータの取扱いに関する教え方がわからないので、勉強をしたいとの意見がありました。このため、品質管理に携わっているものとして社会貢献することが大切ではないかと考え、小学校と中学校で学ぶデータのとり方・まとめ方について1時間程度のオンラインセミナを開催しました。このような活動を進めることで、品質管理に関する情報提供を行うことで社会に対するサポートができたと確信しました。

 


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