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JSQCニューズ 2010年 6月 No.301

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■トピックス:会員満足度調査の結果です!!
■私の提言:QMS社内標準は活きていますか?
・PDF版はこちらをクリックしてください →news301.pdf

■ トピックス
  会員満足度調査の結果です!!

会員サービス委員長・成城大学 神田 範明

 皆様、会員サービス担当理事の神田です。先般は年度初めの多忙な中、会員満足度調査にご協力いただき、誠にありがとうございました。厄介な調査にも拘わらず多数の会員から熱心な回答をいただき、心より感謝申し上げます。
 この調査は2010年4月12日にメールアドレスを登録している会員全員に配信し、各会員から結果を送信していただく形を採用しました。返信数は 607通、回収率は25.3%(この種の調査としては高率!)です。
 以下その要点を報告させていただきます。詳細は追って学会ホームページにも掲載予定です。

(1)回答者の属性
・性別/男性94.5%、女性5.5%で、男性が圧倒的です。
・年齢/20歳代から70歳代以上まで広く分布しますが、50歳代が最多で30.2%を占め、若手は少数です(図1)。

(2)行事の参加と満足度
・参加人数は多くないですが圧倒的に高評価なのが事業所見学会・Qパブ/QCサロンです。逆に、参加人数が多いにも拘わらず評価がやや低目なのが研究発表会です(低いと言っても満足度平均で3.8はあります)。

(3)学会誌・学会広報(JSQCニューズ、メールニュース、学会ホームページ)を読む程度と満足度
 学会誌(特に特集記事)・JSQCニューズは良く読まれており、わかりやすさ・読みやすさ共にJSQCニューズがトップで、論文が最も低くなっています。満足度は共に3.5前後で大差なく、全般に行事よりは低いですが、まずまず高い数値です。

(4)学会全体に対する評価
 研究者と企業人で明白な差が生じ、研究者では評価がすべてにおいて高く、特に最も重要な「有益な情報が得られる」の平均が4.0、「役立つ」は3.9であり、満足度3.9、継続意向も4.3と当学会を重視しています。一方、「会員間・産学間の交流」は3.3〜3.4程度で多いと思われてはいません。
 圧倒的多数を占める企業人では、最も重要な「有益な情報が得られる」3.7、「役立つ」3.4であり、満足度3.5、継続意向3.9で全体ではまずまずと言えますが、「会員間・産学間の交流」は2.9前後で, 評価は低くなっています。

(5)新規サービス(仮説案)への評価
 圧倒的に支持されたのは「品質」誌での論文の解説記事の掲載67%、次がやさしく解説してくれるセミナーの開催53%。いずれも企業人の「もっとわかりやすく」という声の表れです。また、企業人が専門家に直接相談できる場の創設52%、産学協同研究の仲介34%、会員交流の場の増強33%などの要望が多くなっています。
 以上のようにおかげさまで様々な課題が浮かび上がって来ました。更に多様な角度から詳細な検討を続け、40年度に向かって価値の高い学会、会員に役立つ学会を目指していきたいと考えております。



■私の提言
  QMS社内標準は活きていますか?

日本規格協会 平岡 靖敏

 日本にISO9001による認証制度が広がり始めて15年余りが経ち、認証企業ではQMS事務局の交替が徐々に進んでいますが、それに関して最近「形式だけの引継ぎしか行われていない」という言葉を時々耳にするようになりました。
 形式だけの引継ぎとは、確立・維持されているQMSの仕組みを、その目的を理解することなく、ただ受け継いだだけのため、問題が発生してもその仕組みが機能しない、機能させることができない状況となっていることを意味します。
 企業のQMSは多くのプロセスから成り立っており、それらが統合的に管理されなければ意味が無いことは当然ですが、個々のプロセスもそれぞれ果たすべき機能があり、その目的に合致した管理がなされなければなりません。
 その意味で事務局はQMS全体の目的と有効性を理解すると同時に、個々の仕組み・機能について、その目的を理解していることが不可欠です。
 ところで、我々は社内標準化を含めて標準化によりさまざまな便益を得ています。しかし標準化を進める際には、ある状況・環境において、決めた目的を達成するために最適の方法を標準としていかなければ、目的が達成できないばかりか逆に不利益をもたらす場合もあります。また、制定した標準はずっと使えると誤解している方もまだまだ多いようですが、必要に応じて見直しや改訂を行うことが重要です。
 ISO9001が要求しているのはQMSの仕組みの確立と実行、そしてその維持ですが、その活動は「社内標準化」そのものです。
 QMSを取り巻く環境の変化のスピードは年々速くなっています。構築された仕組みの本質が理解されないままでは、変化に対応した仕組みの見直しも不可能です。個々の仕組みを一つずつ、それぞれの目的と機能を全体のQMSにおける位置づけとともに見つめ直して最適化を図り、活きたQMS社内標準を維持して頂きたいと考えています。


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