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ISO規格やIEC規格は世界の国々が集まって、互いの利便が得られるように定めた取り決めです。これらの活動は国際標準化と呼ばれます。また、JIS規格、BSI規格、DIN規格、NF規格などは、一つの国の関係者が集まって、互いの利便が得られるように定めた取り決めです。これらの活動は国家標準化と呼ばれます。他方、特定の分野の専門家が集まって、互いの利便が得られるように取り決めを決める活動は団体標準化と呼ばれます。代表的なものとしては、ASM規格、UL規格などがあります。JSQC規格もこの一つです。すべてのものを国際規格として定めることは、効率的ではありません。このため、国際規格、国家規格、団体規格が相互に補完し合いながら、標準化が必要な領域をカバーしています。JSQC規格は、品質管理の専門家集団である日本品質管理学会が定める規格で、国際規格や国家規格に比べるとより専門性の高いものになっています。
JSQC規格としては、「品質管理用語」と「日常管理の指針」の2つが発行済みですが、前者は、国際規格であるISO 9000がquality assuranceに関する用語を中心としており、日本流の品質管理を十分カバーするものになっていない点を考慮して定められたものです(昔はJIS Z 8101:1981の中でこれらの用語が定義されていたのですが、ISO 9000の発行にともなって現在は廃止になっています)。また、後者はJIS規格として、方針管理の指針(JIS Q 9023)、改善活動の指針(JIS Q 9024)が発行されているものの、もう一つの重要な柱である日常管理に関する規格がまだ発行されていない状況を踏まえて開発したものです。ISO 9004が品質マネジメントシステム全体の指針を与えているのに対して、JIS Q 9023、JIS Q 9024、JSQC-Std 32-001はその中で実践される重要な活動要素に対する指針を与えていると考えるとよいでしょう。品質管理の将来的には、JIS化、さらにはISO化をはかることが期待されています。 |