今回は、東京理科大学の鈴木知道先生による、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)のTC(Technical committee 技術委員会)69(Application of Statistical Methods 統計的方法の適用委員会)を例とした新型コロナウイルス対応と規格開発についてのお話でした。
1.鈴木先生からZoomの投票機能を用いた簡単なアンケート(参加者の属性、参加のきっかけ)があり、最後に結果の紹介が有りました。Zoomでこのようなこともできるのだと分かり興味深く参加出来ました。
2.始めに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京理科大学としては学位記・終了賞修了証書授与式中止、入学式中止、学生の大学への入構禁止、そしてテレワークと対応していったそうです。鈴木知道先生自身も現在はZoomによるオンライン授業が中心となっているとのことでした。
3.続いてISO国際標準化機構の規格開発の流れについての話がありました。規格開発では、NP段階(新規格開発提案)を含め4段階の関門があり、各段階で各国委員による審議、各国の投票があり、国際規格発行までに標準で36か月を要するということでした。ISOには分野毎に多くのTC(技術委員会)があり、TC69は「統計的方法の適用」を担当する委員会で、2つのWG(Working group)と5つのSC(Sub committee 分科委員会)があるとのことでした。鈴木知道先生はTC69運営委員会メンバー、SC6(測定方法と測定結果委員会)の議長、及びTC69日本国内委員会の副委員長です。新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中、ISO中央事務局は各TCに対して、世界各国の委員が一堂に集まる会議の中止を指示しました。これに伴い、TC69総会も6月に米国ミルウォーキーで開催予定であったが中止となり、その後、TC69の指示により、SC毎の総会をZoomn会議で行うことになり、SC4, SC6は6月19日、SC7, SC8は6月18日にそれぞれ行いました。今後も新型コロナウイルス対応が解除されるまではZoom会議を中心に活動されるそうです。ISO/TC69統計的方法の適用委員会には品質管理学会のメンバーも何人か参加していることも分かり、委員会活動の概要を知ることができたことは有意義でした。
石山 一雄(シックスシグマ品質研究所)