2019年12月19日(木)福岡県北九州市のTOTO(株)小倉第一工場を訪問した。見学者は総勢19名でウエルカムホールに集合し先ずは会社説明を受ける。1917年創立の歴史ある会社だ。
続いて衛陶工場内の見学である。原料となる長石、陶石などを微粉砕し、スラリー状にして型に流す。工程が進むにつれ、脱型後から乾燥工程を経て約3%の収縮、次に焼成工程で約10%の収縮、合わせて約13%もの縮みである。実物大の大きさで、脱型時、乾燥後、焼成後と3つ並んでいると収縮の大きさを実感した。また均一に収縮する訳でなく、複雑な形状でもあり収縮後の寸法・形状を考えた長年の技術蓄積によるノウハウで型形状が決まっているとの事。約115メートルにも及ぶ焼成炉をおよそ24時間かけて製品が通り抜け完成する。
次に、上席執行役員井上技術本部長様より「衛生陶器の開発・製造プロセスの革新とICTによる不良率削減」をテーマに講演をいただく。CAEを活用し、開発では流体制御や高精度流体解析。製造では変形予測解析技術によりノウハウに頼らない型設計や、乾燥工程の水分分布予測も行われている。ICTによる不良率削減では、スマートファクトリー化による、歩留向上を目指し、製造データを活用している。ICTといった最新のツールを用い、実直に改善を進められていると感じた。
最後にTOTOミュージアムを見学した。2015年に完成した建物に会社及び製品の歴史が展示されていて大変興味深い。一般に公開されているので一度見学してほしい。資料の中に創立者の志を記した社是や「先人の言葉」には、現代にも通じる「顧客満足」や「良品と均質」との記述が印象的であった。「良品の供給、需要家の満足が掴むべき実態」との思いを受け継ぎ、業容を拡大されているのであろう。
最後にTOTO(株)小倉第一工場の皆様方にはご多用中にも関わらず、工場見学や講演をご丁寧に対応いただきました事を御礼申し上げます。
田中 也寸志(倉敷紡績(株))