2019年12月5日(木)にオリエンタル酵母工業(株)びわ工場を見学した。同社は、1929年、わが国初の製パン用イースト製造会社として発足、国内のパン食文化普及の原動力となった。現在は日清製粉グループ会社として食品事業とバイオ事業を展開。今回は琵琶湖北部のびわ工場を見学。ここでは菓子パンの中に入れるクリーム、粉末かんすい、ベーキングパウダー等の生産を行っている。
工場玄関より見学者全員に検温を実施。工場長、品質管理室長より工場概要、品質保証体制、従業員教育の説明の後、工場内を視察。品質方針「品質と安全はすべてに優先する」の元、受入原料から微生物等の検査を実施。工場内は3段階の衛生区域に分類し、床の色と制服の色で区分。毎日工場稼動前には配管内の生物的、理化学的検査の実施で安全性を確認。製品出荷時はトラックを丸ごと建屋に入れて積込む等、HACCPによる食品危害防止が徹底されていた。製品や原料に不具合が発生した際、直ちに不具合製品の範囲を特定できるよう原料すべてにバーコードシールを添付。計量時、配合時にバーコードを読み込むことによりトレースシステムを確立している。
2014年にISO22000を取得。AIBと合わせた厳しいグループ内監査を定期的に実施。特にマニュアルや基準から逸脱した際の是正措置の記録と報告を重視。従業員からの不具合情報がすぐに上がるよう、内部コミュニケーションの活発化に重点を置いている。人材育成は「職人の背中を見て」から「階層別、年代別教育」へ進化。年間計画を立て従業員教育を実施。スキルマップを用いてモチベーション向上に繋げている。多数の改善発表資料が通路に並び、活発なQC活動が伺えた。
参加者からは、「人材育成の方法、入出荷制度のしくみがよく分かった」、「多岐に渡る質問に的確な返答で分かり易かった」等多数の好評価が得られ、大変有意義な見学会となった。
大変ご多忙の中、丁寧なご説明と充実した工場見学をいただきましたこと、びわ工場の皆様には厚く御礼申し上げます。
下村 健治((株)神戸屋)