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第138回講演会ルポ
これならできる!未然防止型QCストーリー
―「起こりそうな問題」をこうして事前に防ぐ―

 
掲載日:2019/09/13 ルポの一覧に戻る

 2019年7月16日(火)、日本科学技術連盟・東高円寺ビルにおいて、第138回講演会「これならできる!未然防止型QCストーリー−「起こりそうな問題」をこうして事前に防ぐ−」が開催された。
 まずは、「未然防止型QCストーリー」として未然防止活動を体系的にまとめられた中央大学 中條武志教授の講演。最近のトラブル・事故の大半は、技術的に既にわかっている問題の再発であり、失敗をいかに防ぐかがポイントとなる。失敗が発生した後に改善していてはモグラ叩きとなるため、今こそ未然防止活動が必要とされていると述べられた。
 次に、未然防止型活動の事例として、(株)原信ナルスのホップステップジャンプサークル、(株)NTN上伊那製作所のQSYSサークル、トヨタ自動車九州(株)のハイクオリティーサークルの3サークルが発表された。品出し作業時の切傷事故防止、情報システムのリスク管理強化、攻めの保全によるドカ停(生産ラインにおける30分以上の長時間停止)ゼロへの挑戦と、いずれの事例も起こりそうな問題を未然に防止して効果を上げた素晴らしい活動であった。
 そして、中條先生をコーディネーターとして、須藤ゆかり氏(コーセーインダストリーズ(株))、丸山将範氏(原信ナルスオペレーションサービス(株))、出口淳一氏(QCサークル関東支部幹事長/セイコーエプソン(株))、白石繁馬氏QCサークル群馬地区指導員/クオリティ・リサーチ)によるパネル討論が行われた。(1)最近の職場の状況から、どのようなタイプの改善活動が求められているのか、(2)QCサークル、職場、企業・組織が未然防止活動に取り組む難しさ、その克服法、(3)企業・組織において、未然防止の考え方・取り組みを推進するために何をすべきか、(4)QCサークル活動・TQM活動をより広く普及していくうえでの課題の4つの論点を中心に、活発なそして率直な意見交換が行われた。
 最後の質疑応答において、QCサークル地区のQC発表会で、問題解決型に比べて未然防止型の評価が低いとの問題提起があった。確かに今の審査基準では未然防止型が認めづらいため、今後、支部・地区において審査基準を見直し、未然防止型の良さをわかってもらえるような活動の必要性が唱えられた。

戸羽 節文((株)日科技連出版社)


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