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第20回安全・安心のための管理技術と社会環境ワークショップ

 
掲載日:2019/08/09 ルポの一覧に戻る

 標記ワークショップが2019年6月21日に筑波大学・文京キャンパスで開催された。このワークショップは、日本原子力学会社会・環境部会、ヒューマン・マシン・システム研究部会、日本品質管理学会、日本品質工学会、安全人間工学委員会、筑波大学大学院システム情報工学研究科リスク工学専攻の共同開催であり、今回で第20回を迎えた。
 今回は、「安全に寄与する組織文化の核心とは〜リーダーシップ・マネジメントの視点から」を主テーマとし、規制組織も含む異なった領域の実務家・専門家からの事例発表を頂いた上でパネルディスカッションが行われた。
 事例の1件目は、東京電力ホールディングス(株) 古濱 寛氏による「事業者における安全に寄与する組織文化の醸成に向けた実践」である。福島事故以前の安全文化醸成活動として安全文化の7原則を制定したものの事故発生により、改めて安全文化に関する徹底的な議論を経営層から管理職、一般職まで対話を実施し、新たな手法として10Traitsを導入し、絶えず安全文化向上に努める現在の醸成活動を紹介。日常業務こそが安全文化の表れと結論を導かれた。
 2件目は、原子力規制庁 瀧田 雅美氏による「新検査制度における安全文化ガイド」である。福島事故後、新たな検査制度をGSR Part2の考えを取り入れた事例を紹介。
 3件目は、原子力安全推進協会(JANSI) 越前 正浩氏による「安全に寄与する組織文化のアセスメント」である。安全に寄与する組織文化の核心として自己を冷静・批判的に見つめる能力、リーダーシップの関与・役割の重要性を述べられた。
 続くパネルディスカッションは、関西電力 大家 知子氏、早稲田大学 小松原 明哲氏、パブリック・アウトリーチ 木村 浩氏を加え、中央大学 中條 武志氏がコーディネータを務め、組織文化は見えない意識・考え方なのか?または現れた態度・行動か?についてさまざまな見地で議論した。
 また組織文化を作る為には特別な醸成活動が必要か?日々の業務をきちんとやればいいのかでも同様に議論を重ねた。リーダーシップのあるべき姿にも言及し、さまざまな意見を伺えた。
 ワークショップの内容は、報告書としてまとめられており、実費で入手可能である。

澤村 祐一(三菱重工環境・化学エンジニアリング(株))


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