2018年11月1日(木)、キッコーマン(株)野田工場(千葉県野田市)にて、第407回事業所見学会が「100年企業の品質を体感する」をテーマに開催され、12名が参加した。
野田工場は、江戸時代から盛んに行われていた野田のしょうゆ醸造家たちによって1917年に設立され、100年以上しょうゆを作り続けている。
まず、キッコーマンのしょうゆの製造方法について説明していただいた。原材料は大豆と小麦、食塩で、大豆と小麦から「しょうゆ麹」をつくり、そこに食塩水を加えた「もろみ」を発酵・熟成させて布でくるみ絞ることで生しょうゆが出来上がる。そして、火入れすることで、色・味・香りを整える。麹づくりが一番大切であり、湿度や温度管理など様々な工夫を行っている。また、容器の開発にも力を入れていて、二重構造容器「柔らか密閉容器」は開封後も新鮮に保つことができる。
品質保証に関する取り組みについては、HACCP手法を導入してISO22000やFSSC22000を取得していて、品質保証体制を整備している。
工場見学では、原材料である大豆、小麦を混ぜてしょうゆ麹をつくる工程や、熟成した「もろみ」を絞る工程などを見学した。生産ラインは、かなり自動化されていて、作業者が極端に少ないことに驚かされた。
また、御用蔵という宮内庁にお納めするしょうゆ専用の醸造所も見学した。ここでは現在でも伝統的なしょうゆ醸造が行われていて、江戸時代から続く伝統的な醸造技術が継承され、現在のしょうゆづくりに受け継がれていると感じた。工場見学中やその後に、たくさんの質問が出たが、そのすべてに丁寧に回答していただいた。
最後に、キッコーマン(株)野田工場の皆様には、ご多忙にもかかわらず、丁寧なご対応とご説明をいただきましたことに心より感謝申し上げます。
小川 真由(東京理科大学)