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第129回講演会ルポ
「技能科学:ものづくりの技能を科学する」

 
掲載日:2018/11/15 ルポの一覧に戻る

 去る2018年8月6日(月)日科技連東高円寺ビル2階講堂で、「技能科学:ものづくりの技能を科学する」と題して、職業能力開発総合大学校の教員による講演会が行われた。発表順に題目と概要を示す。
1.技能科学と品質管理:圓川氏  
 人と結びついた技能を見える化し技術とする。それを改良することで技能の容易化・習熟化が図れる。この活動の基礎となる技能科学について例を交えて解説した。さらに、広い意味の技能科学にも言及した。
2.身体性認知科学による技能の解明:不破氏、塚崎氏  
 技能の解明には身体性認知科学が必要であり、動きと測定を結び付けて熟練者との違いを見える化し、指導に活かすことができる。認知科学を不破氏が、指導の部分を塚崎氏が説明した。
3. 国際技能五輪における技の見える化:菊池氏  
 技能オリンピックの成績が芳しくない。参加国の投票で決まる競う技能(=今必要とされる技能)にキャッチアップして技術者を育成する必要がある。その取り組みについて説明した。
4.AR.VRを用いた技能伝承のスピード化:西澤氏  
 学生は、2次元図面から3次元モデルをイメージできない。そこで、3次元の完成モデルや施工手順を図示するアプリを作成した。これを用いることで、手直しや手戻りを減らし、作業時間を減らすことができた。
5.構造損傷検出の技の科学的見える化:遠藤氏  
 構造の欠陥の打音検索の見える化・高度化を図った。トラクターの冷却口の位置決めの逆解析を行って効率化を達成した事例を紹介した。
6.金型製作の匠の技の見える化とe教材開発:丹氏  
 匠自身も気づかない技術の見える化を図った。その結果を、e教材作成に活かし、モノづくり教育に役立てる算段を進めている過程を紹介した。  
 総評:全講演を通して、先生方のモノづくりに対する熱意が感じられた。指導方法の工夫や教材開発への取り組みに心打たれた講演会であった。

飯田 孝久(元 慶應義塾大学)


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