2018年8月1日(水)、大阪大学中之島センターにおいて関西支部主催の第132回講演会が開催され、60名の参加者が標題のテーマについて熱心に聴講した。
講演@では、トヨタ自動車(株)業務品質改善部主査 古谷健夫氏から『日常管理の本質を考える』と題した講演があり、現場で如何に日常管理を実践するかについて、(1)日頃から職場の信頼関係を作ること、(2)規格をベースに、自分の部門に合致した智慧と工夫を凝らすこと、そして、(3)フールプルーフではなくフェイルセイフといった認識を持つことなど、物作り現場での取り組みという立場から、体験を交えて、有意義、かつ、わかりやすいお話しをいただいた。
また、講演Aでは、TQMコンサルタント(技術士)、(一社)日本品質管理学会標準委員会委員長安藤 之裕氏から『方針管理による変化への対応』と題した講演があり、日常管理と方針管理の融合に始まり、方針管理の必要性と実践方法について、(1)本当にやらねばならないことは何か、(2)方針管理は変化に対応するための仕組み作りであること、(3)方針管理により、上からの無茶ぶりを何としても解決することなど、方針管理が形骸化しない工夫について、有意義、かつ、聴講者を飽きさせない巧みな話術でお話いただいた。
総合質疑は、30分という短時間ではあったが、活発な討論がおこなわれた。
方針管理と日常管理に関する先進の考え方や具体的な取組みの方向性を学ぶ上で極めて有意義であり、トップマネジメントと実務者の間で、不充足感に悩まされながらも、日々苦闘しているミドルマネジメント層に、元気と勇気を与えて頂いた講演会であった。
以上のように、今回の講演会では、有用な多くの示唆、気づきを得ることができた。今後もこうしたテーマを取り上げた企画が期待される。
松本 哲夫(ユニチカ(株))