2018年3月14日午後、厄除け大師で有名な川崎大師の近隣にある味の素(株)川崎工場(神奈川県川崎
市)において第399回事業所見学会が開催された。この地は味の素が1914年に創業した地であり、社歴100年を超える長寿事業所である。敷地面積約10万坪、東京ドーム8個分の敷地で、京浜急行電鉄大師線の港町から大師前までの間、企業地内を鉄道が走る壮大な事業所である。
川崎工場では、味の素、ほんだし、Cook Doの3種の見学体験コースがあり、今回、学会では、ほんだしの生産ラインの見学体験コースを巡回した。厳選した素材のかつおの仕入から燻製、粉砕、混錬、造粒、乾燥、梱包のプロセスの一部を見学した。
工場の見学体験後、川崎工場品質保証グループの村瀬グループ長より、味の素川崎工場の品質保証体制のご説明後、参加者からの質疑応答となった。参加者からは、「顧客からの問い合わせがあった際の素材や製品のトレーサビリティがどのような管理になっているか」との質問には、「動的、静的の両面から原産地管理や生産ロット管理などで追跡可能」との回答があった。別の参加者からの、「HACCP認証についてどのように取り組まれているか」との質問には、「川崎工場ではFSSC22000の認証を2013年に取得し、食品安全マネジメント体制を維持している」との回答があった。また、「食品が対象であることから官能検査体制はどのようになっているか」との質問には、「検査の精度を一定に維持するため『官能検査員認定制度』を設け、試験を実施しており、試験では、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)や、辛味、香りを判別する試験があり、検査員は、この試験に合格しなければ、官能検査を行うことはできない」との回答があった。
今回、味の素川崎工場にお邪魔して日本国内だけでなく、海外生産と国内生産の違いもQ&Aの中で議論されたが、さすがは100年企業であり、しっかりとしたQMS体制を実体験させて頂いた。
斉藤 忠(岡谷電機産業(株))