山本 和芳(標準委員会)
2017年10月24日(火)の午後、日科技連東高円寺ビルにおいて、JSQC規格「日常管理の指針」講習会が開催されました。2013年6月にJSQC-Std 32-001「日常管理の指針」が制定された後、同年9月に講習会があり、今回は2回目となります。定員50名で設定されていましたが、52名の参加者で会場は満席状態でした。
冒頭、椿会長から、「日常管理は呼吸のように当たり前ではあるが非常に重要なものである。今回の講習会を通じて、企業活動のあるべき姿をもう一度確認いただきたい。」とのご挨拶の後、安藤標準委員会委員長から、規格制定のねらいや経緯について説明がありました。また、2016年5月、JSQC規格が初めてJIS化(JIS Q 9026)されたこと、英語pdf版や「方針管理の指針」の紹介があり、本規格が2018年に制定後5年を迎え、見直し(継続・改正・廃止)を予定しているとの案内もありました。
続いて、規格制定に携わった委員の皆様から、規格の内容を5つのパート「日常管理の基本」「日常管理の進め方(標準化)」「日常管理の進め方(異常の検出と処置)」「上位管理者の役割、部門別の日常管理」「日常管理の推進」に分けて、わかりやすく丁寧に解説していただきました。
最後の全体討論(質疑応答)の場では、「日常管理は自主管理が前提ではあるが、実際には難しい場合(特に海外)がある。定着するまでは、スタッフの支援が不可欠。」「上位管理者の役割は、現場を良く見て、ルールを守ることの大切さを示すコミュニケーションが必要。」「日常管理導入の直接的な効果を数値で表すことは難しいが、結果として必ず業績向上に繋がる。品質不祥事を犯すようなことにはならない。」など、実経験に基づく解説、回答をいただきました。
参加者からは、「日常管理は手を抜くと一瞬に崩れてしまうというお話が印象的でした。」「このような講習会は東京だけでなく各地区でも開催してもらいたい。」などの声があり、大変有意義な講習会でした。