平成28年10月26日(水)にANAグループ安全教育センター(東京都大田区)にて『ANAグループの「安全」の取り組み』をテーマに開催、19名が参加した。今回は、ANAグループが、過去の事故体験者が退職等でいなくなる中、それらの記憶を風化させないようにと、安全教育施設として2007年1月に開設した「ANAグループ安全教育センター」にて開催された。
始めに「ヒューマンファクターズの基本原理」及び「安全学の基本原理」の2つの安全基本原理に基づいた「ANAグループとしての安全の取り組みと概要」について説明された。この基本概念を支える「安全マネジメントシステム」は、1)安全のポリシー(安全は経営の基盤であること)、2)安全リスクマネジメントと安全保証(ハザードを発生後に特定する「対象型」、事前に予測して対応する「予防型」、そしてデータに基づき将来的に予想して対応する「予測型」を組み合わせた「安全保証」の推進)、そして 3)安全推進から成り立っていること、そして、その「予防型」を支える「ANAの安全文化(失敗を責めない非懲罰ポリシーとアサーション)」の紹介をいただいた。
その後、3つのコンセプト、1)事故の悲惨さを体感、2)エラーの現実、そして 3)安全に維持を体得、をもとに開設された「ANAグループ安全教育センター」での従業員対象の研修を体験させていただいた。パネルによる多くの航空機事故、及び展示されている事故機体に基づくなど多くの大切な説明を受けた。見学の最後に「人は如何にエラーを引き起こすか!」を参加者全員が体験・納得し、エラーから安全を守るための仕組みの説明で締めた。参加者からの厳しい質問に対しても適切にご回答をいただいた。なお、今回の体験は、従業員に対して実施している研修を簡素化していると説明されたが、内容は濃いものであった。
最後に、業務多忙の折にもかかわらず、丁寧なご説明、そしてANAグループ安全センターの見学を設定対応いただきましたことに、心より感謝申し上げます。
寺部 哲央(元・日産自動車(株))