中條 武志(標準委員会)
2016年12月8日(木)の午後、58人の人が参加し、本年5月に制定されたJSQC-Std 33-001「方針管理の指針」の講習会が開かれました。
最初に、2016年11月まで標準委員会委員長を務めておられた住本守氏から、「方針管理」についてJIS Q 9023:2003が既に制定されているが、それ以降、経営環境の変化に取り組む中で実践されてきた内容を盛り込んだものにし、JISの改正につなげるのが規格制定のねらいであるという話があった後、規格を教科書に、各章ごとにポイントを絞った解説が行われました。
まず、TQMにおける方針管理と日常管理の役割の違い、方針を構成する3要素「重点課題」「目標」「方策」、方針管理の主要な3つの活動「展開」「集約」「環境変化への対応」について話しがあった後、方針管理の全体の枠組みやその中におけるすりあわせの重要性についての説明がありました(4章、5章)。次に、各部門の管理責任者(部長や課長など)が具体的に何を行うのがよいのか(6章)、組織全体に責任を持つ人(社長や事業部長など)はどのような姿を理想として方針管理を実践していくのがよいのか(7章)、推進者は教育、標準・帳票・ツールの整備、部門ごとのレベル評価などについてどのような工夫をするのがよいのか(8章)についての説明がありました。
最後に、総合質疑があり、展開や集約をスピーディに進めるのにはどうしたらよいのか、方針管理を組織に浸透・定着させるためのポイントは何かなどの質問があり、形骸化しないようにするためには目的を理解してもらうこと、実践の継続とトップ診断や管理職による指導が重要であるなどについての活発な討論が行われました。
参加者からは、「TQM推進に生かしたい」「自社の方針管理の見直しに参考になる」「少人数の中小企業についての指針があるとよい」等の声がありました。