住本 守(標準委員会)
2016年7月1日の午後、63人が参加し、昨年12月に制定されたJSQC-Std 21-001「プロセス保証の指針」の 講習会が開催されました。住本標準委員会委員長が、プロセス保証に関する総合的なパッケージを提供するという規格制定の目的の説明、及び制定に至る背景として、ISO 9001を導入している組織でプロセス保証が忘れられているケースが少なくない現状について話した後、原案作成員会委員長の山田慶応大学教授より品質保証におけるプロセス保証の役割と構成要素(「標準化」、「工程能力調査」、「トラブル予測・未然防止」、「検査・確認」及び「工程異常への対応」)の説明がありました。
その後、規格及びテキストをベースに、プロセス保証の構成要素毎に「標準化と工程異常への対応」、「工程能力の調査・改善」、「トラブル予測・未然防止」及び「検査・確認」についてポイントを絞った説明が行われました。「標準化と工程異常への対応」では、標準化及び工程異常の意味と標準化及び工程異常への対応の進め方など、「工程能力の調査・調査改善」では、プロセス保証と工程能力の調査・改善、及び工程能力指数の算出方法など、「トラブル予測・未然防止」では、トラブル予測・未然防止の意味、トラブル予測・未然防止の進め方及びプロセスFMEAなど、「検査・確認」では、検査・確認の目的、検査・確認の要点、検査・確認の設計、保証度の評価及び保証の網などについての説明がありました。
最後に、総合質疑があり、潜在的なニーズに対するプロセス保証、プロセスを見える化するツール、プロセスFMEAの判定基準の設定、及び検査・確認は何故ゼロにならないかなどについての活発な討論が行われました。参加者からは、「プロセス保証について理解が深まった」「本質的な説明を分かりやすくして頂き感謝します」「定期的な講習会の開催を望む」 等の声がありました。