去る平成28年5月10日(火)、川崎重工業(株)車両カンパニー兵庫工場(神戸市兵庫区)にて、第386回事業所見学会が開催された。「鉄道車両の耐衝突性能の向上と製造現場での品質向上活動についての取り組み」をテーマとし、参加人数は予定数を大幅に上回る46名(内女性2名)と盛大な事業所見学会となった。
同社車両カンパニーは、新幹線をはじめとする特急電車・通勤電車・地下鉄・機関車・新交通システムなど様々な車両を国内だけでなく、世界各国に送り出している鉄道車両製造のトップメーカーである。
まず始めに、安全対策の取り組みについて説明があった。国内では予防安全に重きが置かれ、衝突事故の発生件数が海外に比べて少ない。これは、未然に事故を防ぐことに力を入れている取り組みの成果と言える。
また、衝撃吸収構造の研究も進められ、品質向上を意識した様子が窺える。
工場見学では、参加者は3つのグループに分かれ、主に通勤電車の製造工程を見学した。最初に構体の生産、次に台車の組立、そして外装部品の取付けを経て、最後に内装部品の艤装を施し完成する車両の製造ラインを順に巡った。鉄道車両の製造は、機械作業かと思いきや、手作業が中心で、まるで巨大なプラモデルを手順通り組立てるかのような現場風景に関心が集まっていた。
質疑応答では、車両本体についての質問から、共同設計についての他社との連携や技術標準化の工夫、ヒューマンエラーの防止策など、活発な質問が飛び交う大変充実した意見交換会となった。
アンケート結果でも、ほとんどの参加者が「大変参考になった」と大好評で、充実した工場見学は参加者を非常に満足させることができ幕を閉じた。
最後に川崎重工業(株)車両カンパニー兵庫工場の皆様方には業務多忙の中、親切丁寧なご説明及び製造現場見学の機会を設けて頂き、厚く御礼申し上げます。
釜口 友希((株)岩崎電機製作所)