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石川馨先生 生誕100年記念第125回講演会ルポ
『これからのTQMと品質保証』

 
掲載日:2015/12/16 ルポの一覧に戻る

 狩野紀昭先生による標記講演会が、2015年10月7日(水)午後、積水化学工業(株)京都研究所講堂にて開催された。
 石川馨先生の研究室で実際に体験された逸話を具体的にご紹介いただくことで石川馨先生の偉大な功績やQCサークルに対する思いを知ることができ、またこれからの品質保証・品質について多くの気付きが得られる大変示唆にとんだ講演でした。参加者は、111名。
〔これからの品質保証〕
 品質管理のPDCAの中で最も重要なものは? 応急対策と再発防止ではどちらが重要か? などの基本的な質問を参加者にされ、品質教育を受けすぎると一般的な常識で判断することができなくなることを参加者に示された。そして、品質をプロセスで作りこむ「∞(よこはち)の字」モデルについて紹介された。また作業標準(SOP)を作り作業される方に説明するだけではなく、監督者が遵守確認のための現場巡回に時間をとり、日常活動と中長期活動をバランスよくみることが現場の第一線監督者の理想の姿であり、品質を保証する上で大切であると強調された。
〔これからの品質〕
 第1レベルの「顧客の基本的要求への適合」 Quality control (1950−60年代)、第2レベルの「明示された顧客要求の満足」 CS達成のQuality management(1970−80年代〜)を経て、これからは第3レベルの「顧客の潜在要求を探求し顧客の期待を超えた歓喜を実現」(CD達成)のQuality creation(質創造)が必要となっている。
 また、今日多くの製品は買替購入であり、過去品質(Q1)、現在品質(Q2)、未来品質(Q3)の3つの品質を考慮することが大切であること及び企業の競争力は、営業力と製品力で決定されるため、従来のコスト低減に加えて、売り上げ向上のための品質の実践(Quality for sales)が重要であることを参加者に提言された。
 最後は、参加者全員による盛大な拍手をもって閉会となった。

((株)ジェイテクト 綿民 誠)


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