中部支部主催の標記講演会は、2015年5月29日(金)名古屋国際センター別棟ホールにて開催された。定員を大幅に超える171名が参加され、QCストーリーによる問題解決の意義を再認識し、実践の意識を高める貴重な機会となった。
TQMは1980年代から多くの企業で導入されたが、問題解決力・課題達成力の欠如により事業として成果が出ずに失敗するケースが多いというイントロの後、事例研究に入った。
まず、ある宿泊施設での朝食会場の混乱状況が紹介された。様々な試みが行われるが事態は好転しない。その状況に対して「あなたが支配人ならどうするか?」という設問が設けられ、グループ討論を踏まえて全員が回答したが、その結果に対する解説に参加者からは驚きの声が挙がった(この先は会場で…)。
講演テーマの問題解決型QCストーリーの考え方では、誰もが知っているはずの基本の重要性を強調された。また、体系的アプローチが必要となるQCストーリーに加えて、皆で考えればすぐ解決できるKKDと、ちょっと考えたらすぐ解決できるJDIという問題レベルに応じた解決法を解説された。本当にQCストーリーによる問題解決が必要な場合は、異常パターンを十分把握した上でアプローチしなければならないが、その異常を迅速に発見できるデータをタイムリーに収集し、即座に責任者に報告できる仕組みづくりや原因追究できる体制づくりが肝要である。その説明は大変分かりやすく参考になった。
最後は、巧みな話術と進行で参加者を終始惹き付けた講演に盛大な拍手が送られた。
船見 晃啓((株)竹中工務店)