6月13日(金)、中央電気倶楽部において関西支部主催の第120回講演会が開催され、80名の参加者が標題のテーマについて熱心に聴講した。
1つ目の講演は、シャープ(株)CS・環境推進本部CS・環境管理部係長 岡崎哲卓氏から「シャープにおけるグローバル人“財”育成」と題して、品質とサービスを車の両輪とした顧客満足(CS)向上の取り組み紹介があった。グローバルな品質人材の養成に向けeラーニングの活用により日本語教材を英語等の他言語に展開し、その一方で、サービスについても実践での研修を中心に、海外でも「おもてなし」の理解を含めたマインド醸成を進めている。この様に品質とサービスのバランスが取れた取り組みにより、グローバルな活動においても、CSの評価が向上することが示された。
2つ目の講演は、本田技研工業(株)二輪事業本部二輪品質保証部部長 向井正人氏から「グローバル化における品質保証と人材育成のあり方〜Honda二輪車での事例紹介〜」と題して、「技術・品質・スピード・人材育成」の「4つの拘り」について、本田宗一郎氏自身の言葉に基づき解説をしていただいた。創業者が自ら語る言葉の重みに加え、社内でしっかりとその意味を伝承していくことにより、ホンダフィロソフィーがグローバルに継承されている状況が実感できるお話であった。また、「120%の品質」という言葉の意味の参加者への投げかけは、品質は通常で考える「100%」ではなく、お客様をどこまでも理解し、更に想像を超えて期待に応える「120%」というひとつの解釈を示した印象深い問いかけであった。
いずれの講演も、グローバル化が進展し、現地化を進めていく中で、言語や文化の壁を超えて、「技術」のみならず「心」を伝えることの重要性を実例により示された大変貴重で、今後の品質人材育成にとって意義あるお話であった。
滝本 昭彦(関西電力(株))
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