去る平成26年6月6日(金)に、第375回関西事業所見学会が(株)椿本チエイン京田辺工場(京都府京田辺市)にて、標記テーマの下、21名の参加者で開催された。
椿本チエインは1917年(大正6年)に自転車用チェーンメーカーとして創業するも、早々に機械用チェーン製造に専念し、後にその技術から派生した精機、自動車用部品、マテハンを加えた主たる4つの事業を柱に現在に至っている。今回の見学先である京田辺工場は、1940年(昭和15年)以来、生産の要であった大阪市鶴見区の工場を全面移転、京阪奈丘陵の自然環境に恵まれたロケーションに、世界最高レベルのチェーンを生産する世界最大級の工場として2001年(平成13年)から操業している。
工場に入った瞬間、終わりが見えない巨大な建屋から大量生産をイメージさせられたが、プロセス改革として「要るものを要るときに要るだけ作る」変種変量生産にシフトし、月2万件にのぼる注文に緻密に対応する生産管理がなされていると思うと感慨深い。装置の熱気が伝わる作業者目線のコースもあったが、機械メーカーとは思えないきれいな現場であり、品質管理への強い取り組みが感じられた。
また、同じ過ちを繰り返さないために過去の失敗事例をまとめたポケット冊子を作業者全員に配布するなど、「お客様に喜ばれるモノづくり」を人から実践する姿勢は非常に参考になり、すぐにでも真似したいと思えた。
工場見学後の質疑応答でも、参加者から積極的な質問が多数寄せられ、期待以上の充実した見学会となった。
最後になりましたが、椿本チエイン京田辺工場の皆さまには、ご多忙の中、品質管理視点の丁寧なご対応に、この場を借りて厚く感謝の意を表したいと思います。
結城 隆之(ローム(株))