平成26年5月14日(水)、第370回事業所見学会が海上自衛隊横須賀基地で20名の参加をもって開催された。おりしも、安全保障に関するニュースが報道される中で、定員を超える申し込みがあったとのこと。関心の高さを示すエピソードといえる。
今回の見学会では横須賀基地内にある「横須賀造脩補給所」と、「横須賀弾薬整備補給所」の2か所を訪問させていただいた。横須賀造脩補給所の主な任務は、海上自衛隊が運用する艦艇を整備し機能を維持することで、そのための施設・技術レベルの維持についての説明があった。説明の後、横須賀基地内に係留されている艦艇の近くまで移動し、各種艦艇を近くから見学する機会も提供していただいた。潜水艦のハッチの構造は、専門家が見ると艦の性能が分かってしまうので、敢えてカバーで覆ってある、といった薀蓄も披露された。
次に、「横須賀弾薬整備補給所」を訪問した。この施設では機雷を含む各種弾薬の維持管理を担っており、品質確認のための試験設備も運用されているとのこと。我々が通常見ることのない砲弾の模型を使い、詳細な説明を受けた。また新設されたばかりの弾薬庫も、実際に現場で見学する機会があった。弾薬庫を設計する際のインプットは容易に想像できるが、実際の弾薬庫を目の当たりにすると、「弾薬」の意味合いを十分に感じることができた次第である。
そもそも、自衛隊が運用している艦艇や弾薬類に要求される品質レベルは、民生品とは桁が違うほどの差があると推察される。その性格上、詳細が公開される機会もないであろう。しかし、今回の丁寧に説明いただいた、艦艇や弾薬類の保証は、品質保証の原理原則に則っており、PDCAを回すという基本は同じ、という印象だった。
今回の有意義な見学会を受け入れて下さった、神奈川地方協力本部、及び関係者には感謝申し上げます。
松田 啓寿(松田技術士事務所)
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