さる2月21日愛知県内で建設中の新東名高速道路建設現場にて第372回(中部支部94回)事業所見学会が開催され23名の方が参加された。NEXCO中日本は2005年10月の民営化に伴い設立され、東名高速道路、中央自動車道をはじめとする中日本地域の高速道路や自動車専用道路の施設管理運営を業務としている。一昨年の笹子トンネル事故を契機に安全性の向上に対する取り組みを実施し、現在、安全性向上3ヵ年計画等の具体策に取り組んでいる最中である。
新東名の愛知県区間55.2kmは、2014年度末の完成を予定し、東名高速道路の混雑解消やダブルネットワーク等による様々なメリットが期待されている。
工事現場見学は愛知県岡崎から豊田の区間をマイクロバスで移動しながらの見学となった。竣工後は、まず実際のトンネルや橋を先に作り、将来本線道路となる道を使用して土砂を運搬することで一般道を経由しなくて済む様にしているとの解説があった。実際にサービスエリアの工事現場では、一般公道の走行出来ない40トンダンプが行きかい、トンネルや山を削って出た土砂を利用して谷を埋めていた。一般道からの見学では、ダンプトラックを管理するためのGPSを使用した緻密な位置精度管理、橋梁では鋼板を使用して橋を30%軽量化した技術、アラミド繊維のネットを用いたコンクリートの剥離落下防止策などの新しい工法について実際の構造物を見ながらの解説があった。環境対応については、工事による泥水防止のため竹ソダ方式の沈砂池で水の浄化をしているなどきめ細かい対策の説明があった。また地域植物のDNA保存を考慮した植樹や、生物では蛍などの保護はもちろんミミズ、蛇、鳥などさまざまな生態系に気を配っているとの説明に参加者は驚いていた。
今年の歴史的な大雪の影響で予定していた本線を走行しての見学が出来ず主に一般道からの見学となったが、分かりやすい解説と高い技術に大変興味深い見学会となった。最後になりますが、ご対応いただいたNEXCO中日本の皆様に深く感謝申し上げます。
中村 和広(ヤマハ発動機(株))
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