平成25年10月8日、標記テーマのもと、第367回事業所見学会が鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)において開催された(参加者28名)。
はじめに、鉄道総研の概要説明と、ビデオによる紹介があった。鉄道総研は、日本国有鉄道の分割・民営化に先立ち、昭和61年に設立され、昭和62年にJR各社の発足と同時に、日本国有鉄道が行っていた研究開発を継承する財団法人として本格的な事業活動を開始し、平成23年に公益財団法人へ移行した。主な事業は、鉄道技術及び鉄道労働科学に関する研究開発から、鉄道及びこれに関連する技術及び科学の調査をはじめ多岐に亘っている。事業費はJR各社の負担金、民間などからの受託、補助金で構成されている。
研究施設見学は、大型試験設備を擁する広大な敷地のため、マイクロバスを使っての移動であった。
実際に使用されたリニアモーターカー試験機の座席に座って超電導磁気の解説や、車両にリチウムイオン二次電池を搭載することで架線とハイブリッド運転が可能となったHi-tram(ハイ!トラム)に乗っての解説があった。
実際の車両の走行状態を再現する車両試験装置では、営業線では実施不可能な車両や軌道の条件などについての実験を行っている。大型降雨実験装置では、斜面の崩壊に関する試験や雨中でのセンサーの性能試験等が行われているが、実際に時間雨量200mmの降雨を参加者全員が体験させていただいた。
会議室に戻り、最後の質疑応答では、参加者から積極的な質問が多く出された。
毎年10月の鉄道記念日直近の土曜に一般公開される以外、普段は見学のできない事業所だけに大変興味深い見学会であった。業務ご多忙の中、ご対応いただいた鉄道総研のみなさまに深く感謝いたします。
戸羽 節文((株)日科技連出版社)
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