昨年9月7・8日に、第21回ヤング・サマー・セミナー(YSS)が開催された。今年は研修施設である新日鐵住金 鹿島人材育成センターを使用させていただいた。参加資格は35歳以下の正会員・準会員であり、今年は企業から3名、大学教員2名、学生30名の計35名が参加し、講演と研究発表・討論が行われた。
初日は、今回のテーマである「統計学」に関して、まず、早稲田大学の永田靖氏に「実験計画法と回帰分析」という題目で、エクセレント事例や、回帰分析と実験計画法の違いについてご講演いただいた。次に、(株)リコーの廣野元久氏に「システム思考の統計解析」という題目で、経験に沿って、統計解析手法の価値や、システム思考に関してご講演いただいた。そして、トヨタ自動車(株)の小杉敬彦氏に「トヨタ自動車におけるSQCの推進と活用」という題目で、トヨタ自動車のSQCの推進活動や統計的な考え方と活用例についてご講演いただいた。
夕食と懇親会では、参加者同士の親睦を深めるとともに、研究内容に関する情報交換が積極的に行われた。
翌日は、東京都市大学の大森康右さんが「高齢者のインターネット利用におけるwebサイト評価手法の提案」、東京理科大学の中澤槙弥さんが「画像データを用いた統計的手法による異常検出」、東京大学の太田耕右さんが「がん診療連携拠点病院における診療体制の質評価に関する研究」、早稲田大学の海道裕太郎さんが「「強さ」の解析手法の性能比較」という題目でそれぞれ発表を行った。
YSSは、会員同士の親睦を深めるとともに、自己研鑚の場にもなっている。こうした機会を与えてくださった学会の皆様に感謝するとともに、正会員・準会員を問わず今後も多くの若手の参加を期待したい。
吉橋 翔太郎(早稲田大学)
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