中條 武志(標準委員会)
2013年9月18日(水)の午後、72人が参加し、本年6月に制定されたJSQC-Std 32-001「日常管理の指針」の講習会が開かれました。
まず、平林標準委員長から、「日常管理」についてはその重要性にもかかわらず、ISOやJISとして制定されていないために様々な誤解が生じており、学会として統一的な見解を示すことでTQMのさらなる普及・発展の基盤を提供するのが規格制定のねらいであるという話があった後、規格を教科書に、各章ごとにポイントを絞った説明が行われました。
TQMにおける日常管理の役割、SDCAサイクル、標準化と標準、管理項目と管理水準などの基本的な概念の解説(4章)の後、一つの職場(課やグループ)において日常管理を進める際の手順として、部門の使命・役割の明確化から日常管理の定着までの8ステップの説明がありました。また、上位管理者(経営者や部長など)が日常管理においてどのような役割を果たすべきか(6章)、設計・開発や営業などの様々な職場において日常管理を進める場合の注意点(7章)、日常管理の教育、推進のための施策(標準の棚卸しや経営者による現場巡回など)、レベル評価といった、全社における推進の仕方(8章)の説明がありました。
最後に、総合質疑があり、標準化が大変で途中で挫折することが多いがどうしたらよいか、新製品開発についての管理項目をどのように決めたらよいか、現場でいつもと違うことに気づくようにするのにはどうしたらよいか、異常を日常管理の視点から分析する場合のフローチャートや21項目×5段階のレベル評価表などについての活発な討論が行われました。
参加者からは、「日常管理の用語・意義について改めて理解が深まった」「大変有意義な講習会だった」「自分の仕事にどう落とし込むか考える必要がある」等の声がありました。