第364回の事業所見学会は、2013年6月27日、晴天の暑い日差しの中行われた。集合時間の15分前にはほぼ全員が正門前に参集していたのは日本人らしい特性でもあるが、関心の深さを感じた。参加者は合計38人、男女比11.7:1であった。厳重な身分チェックの後、施設内に入ると、そこは正に米国になる。東京ドームの51倍の広さとのことで、会場までは専用バスで移動する。ロス郊外のような家並みである。
フジヤマという会議室で責任者の司令官のご挨拶や基地や見学部門の概要の説明を受けた。横須賀海軍施設は米海軍第7艦隊の事実上の母港であり、その管轄区域である太平洋・オセアニアの20か所以上の拠点に対し、後方支援の任務を持つ。
FLCYの業務は、各拠点で使用・消費される資材の保管と各種の輸送サービスである。倉庫を見学したが、資材はコンピュータでボックス単位に棚管理されている。民間倉庫と比べると動きが静かであったが、艦隊や施設の部品の信頼性の高さ故だろうか。前日まで空母ジョージ・ワシントンが寄港していたそうだが、そのときはまた違っていたかもしれない。
再び、会議室に戻ってSRF-JRMCの説明を受け、バスで修理施設の車窓見学を行った。元々は江戸幕府が開いた製鉄所が造船所に代わり、旧日本軍の海軍工廠となったものを、1945年に米海軍が接収して、現在に至っている。ドック建設には有名な小栗上野介も関与していたという。途中にFLCYの燃料サービス基地やたまたま寄港していた海上自衛隊の浮上している潜水艦を眺めたりした。
今回の見学先は、継続的プロセス向上(CPI)計画を推進している。CPIの枠組みは我が国のTQMそのものである。90年代にゴア副大統領が品質管理を浸透すべき分野として挙げたのが、医療、国防、教育であったが、ここでは見事結実している。CPIの推進ツールは有名なリーンシックスシグマ(LSS)である。LSSの教育は定期的に実施しており、見学会でもブラックベルトやグリーンベルトの有資格者にご対応戴き、貴重なお話を頂戴した。ご多忙なところ、司令官を始め多くの方々にご出席戴き、深く感謝申し上げる次第である。
(益田 昭彦)
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