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第117回関西講演会ルポ
世界にはばたく日本型新商品開発と技術開発の実践例

 
掲載日:2013/08/30 ルポの一覧に戻る

 5月27日(月)、中央電気倶楽部において、関西支部主催の第117回講演会が標記のテーマで開催され、96名の参加者が熱心に聴講した。
 講演(1)は、『日本生産にこだわった新商品開発の実践例』と題してダイキン工業(株) 常務執行役員の岡田慎也氏にご講演を頂いた。
 家庭用ルームエアコンに関して、機種数の大幅な増加や季節によって需要が変化する市場に対応していく必要性から、国内工場での生産の生き残りを賭けて、従来の多品種混合生産方式から需要変動に即応できるハイサイクル生産に進化させた事例を紹介頂いた。
 また今年の主力商品である「うるさら7」の開発においては、商品コンセプトを作るに当たっての顧客ニーズを把握するプロセスの具体事例を説明頂き、更にその結果設定した高い開発目標をクリアするための、開発上の関連部門を巻き込んだコンカレント活動の具体的な成功事例の紹介もして頂いた。
 講演(2)は、『一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん®」の開発』と題して(株)村田製作所広報部担当課長の吉川浩一氏にご講演頂いた。
 講演に当たってはムラタセイコちゃん®とムラタセイサク君®を舞台上で実演走行させ、開発段階での実際の映像も交えての非常にわかりやすく、興味を引き付ける内容であった。
 このロボット開発の狙いは販売目的ではなく、ジャイロによるバランス制御を用いた同社の開発技術力や生産技術力のPR、企業イメージアップを図ることであるが、一般的には部分的な妥協もせざるを得ない営利を目的とした商品開発とは一線を画したものであった。如何にハードルが高くても、決して最後まであきらめない情熱をもった開発技術者とそれを支えるスタッフとの関わり方など、モノ作りとはかくあるべしと感じる内容であった。
 今回の2社からのご講演内容は、日頃の激務でともすれば現状の環境や幾多の制約などの壁に突き当たり、その打破に苦しんでおられるマネジメント層や開発・製造の技術者に対して、大きな声援を送って頂けた内容であった。

本田 光男(ダイキン工業(株))


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