第366回事業所見学会が、平成25年5月17日にNHK大阪放送局において参加者33名で行われた。同局は大阪城や難波宮跡公園に隣接した大阪放送会館(大阪歴史博物館ともアトリウムで連絡)にあり、関西地方におけるNHKの拠点局として独自の番組制作や報道を行っている。
見学会は、オリエンテーションに引き続き、TVスタジオと報道フロアの見学、次いで「NHKにおける災害報道の品質」をテーマに講演をいただいた。
NHK大阪放送局は報道部、制作部、編成部、技術部等からなり、品質管理の観点では考査部や広報部が番組モニターや視聴者の意見・問合せ(年間11万件)の分析と「打ち返し」を行っている。近年は、テレビ離れが言われる若者とともに、40〜50代にみてもらえる放送を意識しているとのことであった。次いで、8月から放送のドラマ「夫婦善哉」や「新ルソンの壺」など教養番組のTVスタジオに入り、大正・昭和期の建物や街が組立てられる様子やスタジオセットを、また報道フロアを階上から見学した。
講演では、(1)東日本大震災以降NHK報道の変わったこと(異常事態を認識し避難の行動を呼び起こさせるアナウンスの工夫、毎晩の「避難呼びかけ訓練」等)、(2)万一東京の放送センターダウン時の大阪放送局の役割(衛星通信を介して東京の放送センターの役割を代行する等、公共放送を担うNHKとしてのバックアップ体制)、(3)災害発生時の情報共有(関西生活情報ネットワーク)等、我々のリスクマネジメントや未然防止につながるお話を伺った。質疑では、公共放送としての報道の客観性や、報道の使命とBCP(事業継続計画)の関連等について活発な意見が交わされた。
普段何気なく見ているTVドラマや報道の見えない部分で地道に努力されている姿に感銘を受けるとともに、「報道の品質」という前例のない見学会にも係らず丁寧に対応して頂いたNHK大阪放送局の皆様に深く感謝致します。
三宅 博(ヤンマー(株))