さる、平成24年7月2日(月)に第360回(中部支部91回)事業所見学会が、愛知製鋼(株)知多工場・鍛造工場(愛知県東海市)にて開催された。「愛知製鋼(鋼材・鍛造品)の品質改善活動」のテーマの下、22名が参加した。
愛知製鋼(株)は1940年(昭和15年)(株)豊田自動織機製作所の製鋼部門が分離、独立し、現在に至っている。95万平方メートルの広大な敷地を持つ工場で自動車特殊鋼の鋼材や鍛造品を生産している。
見学に先立ち、TQM活動事例としてQCサークルとSQCテーマ活動の紹介があった。いずれの事例も自職場の困りごとを自らの手で解決していく事例であった。解決に当たり必要とあれば他部門とも連携をとり大きな成果をあげている所や、改善結果や良い活動プロセスをすぐに全社へ横展開し、効果をあげている点は、大いに参考になった。
見学した広い構内は良く整理整頓されていた。鍛造工場では、工場内食堂にて日々の品質管理や不良対策の情報共有化に対する仕組みも見学することができた。圧延工程では、400mにもなる長大なラインを1200℃以上の鋼の丸棒が流れていく様は、工場内の熱気も加わって迫力あるものだった。その職場でのQCサークル等を活用した人材育成の仕組みがとても参考になった。
最後に訪れたブルーム連続鋳造機では、製品である鉄鋼だけでなく、冷却用の水にまで徹底した品質管理を行っていることに、少なからず驚いた。今回のような、重厚なラインでは設備の条件管理になりがちだが、人の育成に力を入れており、その結果として様々な改善効果がでているのは参加者にも大変参考になったと思う。
最後に愛知製鋼の皆さまには、業務多忙の中、充実した見学内容の提供と丁寧な説明に、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
村松 孝浩(トヨタ紡織(株))