木内 正光(城西大学)
第17回品質機能展開国際シンポジウム(ISQFD2011)が、2011年9月21日〜23日にドイツのシュトゥットガルトで開催された。参加者は、主催国のドイツ、日本、アメリカ、中国など9カ国から総勢68名であった。
21日は現在のQFDの研究及び実践に関連する領域として、AHP、TRIZ、感性工学が取り上げられチュートリアルが行われた。22日はISQFD2011開催の挨拶があり、続いてEngelbert Westkämper氏による‘New paradigms of Advanced Manufacturing Engineering’というテーマの基調講演があった。社会環境の変化が激しい中、顧客ニーズと資源とのバランスを効率的にとるための、先進的な製造エンジニアリングに関するものであった。次にGlenn H. Mazur氏による‘Sustaining the QFD effort: minimum requirements for success’というテーマの基調講演があった。企業において通常業務等で時間が限られている中、持続的にQFDの成果を出すためにはどうすればよいかという実践的な内容であった。
基調講演終了後は、二つの会場に分かれ研究発表が行われた。QFD方法論、製品開発管理、ケーススタディ等、2日間で12セッション、計28件(22日:16件、23日:12件)の発表であった。22日の研究発表終了後に、ドイツのQFD機構から特徴ある研究として、ドイツのAndreas Helferich氏に賞が贈られた。22日の夜には、場所をシュトゥットガルトのお城に移し、QFDの普及と発展に貢献した赤尾賞の授賞式が華やかに行われ、ドイツのJutta Saatweber氏に賞が贈られた。
23日は赤尾先生の基調講演から始まった。“Historical Development and the Basis of QFD”というテーマで、QFDの誕生から様々な領域に拡大されるまでの歴史的な経緯に関する内容であった。22日と同様、基調講演終了後は研究発表が行われ、最後に山梨大学の渡辺先生より次回開催のアナウンスが行われた。次回の第18回品質機能展開国際シンポジウム(ISQFD2012)は、2012年9月19日〜21日に日本の山梨で開催される予定である。