2010年7月14日、第349回事業所見学会がサントリー武蔵野ビール工場で開催された。「ザ・プレミアムモルツのふるさとへ」のテーマのもと、23名が参加した。
同工場は1963年にサントリー初のビール工場として開設され、各種ビールのほか、発泡酒や缶チューハイ、ノンアルコールのビールテイスト飲料などを生産している。特に、最近はモンドセレクション3年連続最高金賞を受賞した「ザ・プレミアム・モルツ」の発祥の工場として注目されている。
見学に先立ち、サントリーグループの品質保証活動、TPM自主保全活動、ビールの製造工程についての説明があった。リスクとなりうる要因を抽出し、それを可能な限り低減することで、サントリーグループの品質方針である「All for the Quality」を実現し、従業員の自負心を養成するという考えに感銘を受けた。
見学では、ビール製造の工程を一通り巡ることができた。麦汁の香りが立ち込める工場内は、私の抱いていたイメージとは異なり、多くの設備において無人化・自動化された非常に近代化された設備であった。TPM自主保全活動で、「30年先まで戦える工場を目指し、全設備の自主保全を行う」を方針に掲げていることからも同工場の意識の高さを伺い知ることができた。また、今回は、普段見ることのできないミニブルワリーも見学することができた。原料から醸造まで一貫した生産設備を備えた小規模のブルワリーで、商品開発や限定ビールなど多種多様なビールづくりを行っている。「ザ・プレミアム・モルツ」は、まさにこのミニブルワリーで開発されたとのことであった。
最後に、お楽しみの試飲タイムが設けられた。工場できたての「ザ・プレミアム・モルツ」は、ビールを注ぐグラスはもちろんのこと、温度、注ぎ方など全てが最高の状態で出され、感動もののおいしさであった。
サントリー武蔵野ビール工場では、一般の方々にも工場見学を開催している。ぜひ皆様も行かれることをお薦めしたい。
北林 寛史((財)日本科学技術連盟)