平成22年7月13日(火)第351回事業所見学会が(株)ヤクルト本社京都工場にて開催された。「ヤクルト本社京都工場における品質管理」をテーマに37名が参加した。
同工場にて生産されるのはヤクルト、ミルミルといった商品である。培養タンク、包装ラインなどの生産設備を見学した後、排水処理、品質保証の取り組みについて説明をいただき、その後は活発な質疑応答となった。
生産設備の見学では、乳酸菌飲料の培養タンクのフロア、包装ラインのフロアともに床が乾いており、衛生的な状態を維持されていた。生産中はプロセスライン以外では水を一切使用しない、清掃後は水を完全に切り乾燥した状態で次回の製造をする、などの基本を日々行っているとのことであった。衛生管理が行き届き、安定した品質、生産性で製造が行われていると感じた。
排水処理の取り組みでは、ヤクルト容器利用排水処理設備の説明があった。ヤクルトのプラスチック容器の底をくり抜いた物が約150万個処理槽に沈められていた。ヤクルト容器の絶妙な大きさから好気菌、嫌気菌両方が生育することができ、少ない汚泥、少ない電力で運転できる効率的な設備であるとのことであった。ヤクルトの容器と排水処理という、なかなか結びつかないものが結びついた非常にユニークな設備であると感じた。
グローバルビジネス展開についてもお話を伺った。乳酸菌の種菌を日本国内で製造し、各国へ輸出、現地でその他原材料を調達し、乳酸菌飲料の製造を行っているとのことであった。世界各地で安定した品質を確保するための仕組みづくりの一例として、勉強になった。
原 弘明(アサヒビール(株))