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第109回関西講演会ルポ
環境成長経済に立ち向かう企業戦略

 
掲載日:2010/10/13 ルポの一覧に戻る

 6月25日(金)、大阪大学中之島センターにおいて関西支部主催の第109回講演会が標記のテーマで開催され、約100名の参加者が熱心に聴講した。
  1テーマ目は、「第5の競争軸〜21世紀の新たな市場原理〜」と題して、デンマーク生まれで(株)イースクエア代表取締役社長のピーター D. ピーダーセン氏のご講演を頂いた。折しも、当日の明け方にFIFA W杯で日本とデンマーク戦が戦われた。結果に対し、ご本人の心境は複雑とのことではあったが、それはさておき、農業革命、産業革命、そして情報革命に続くメガトレンドである「持続可能性革命」なくしては人類の平和な発展はあり得ないとの見地から、(1)自己変革力、(2)市場占有率、(3)価格、(4)品質に続く第5の競争軸である(5)環境革新・持続可能性の追求を究めることに焦点があてられた。
  2テーマ目は、「脚光を浴びる太陽光発電〜その可能性と長寿命化への挑戦〜」と題して、太陽光発電技術研究組合理事長の桑野幸徳氏のご講演を頂いた。太陽電池の実用化における産みの苦しみを乗り越え、自宅に太陽電池を設置し現在も信頼性試験の最中である現状、そして将来の「世界的太陽光発電システム(GENESIS)計画」の実現に向けての情熱が感じられた。
  前記のように、環境先進国を目指す我が国ならびに企業のありようについて、ピーダーセン氏からは、400を越えるプロジェクトの経験から来る必然性、説得力のあるお話を、桑野氏からは、ライフワークとして太陽光発電に傾ける夢と情熱を彷彿とさせるお話を、両者が密接な関連を持つ中で、それぞれ対照的な立場からユニークな口調で語っていただいた。
  近年の地球温暖化現象の加速に象徴される人類共通の課題に対し、行政、産業界、学界を巻き込んだ世界的規模のうねりの中、近未来にリーダシップをとる企業戦略について、先進の考え方や具体的な取組みの方向性を学ぶ上で極めて有意義であり、これからの環境成長経済に立ち向かう必要性を再認識させられた講演会であったといえよう。

松本 哲夫(ユニチカ(株))

 


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