さる、平成22年6月16日(水)に第350回事業所見学会(中部支部88回)が、中部電力亦m多火力発電所(愛知県知多市)にて開催された。「知多火力発電所における品質と環境への取組み」のテーマの下、20名が参加した。
今回見学した知多火力発電所は1966年(昭和41年)に1号機の運転を開始し、現在、1978年(昭和53年)に運転を開始した6号機までが稼動している。
見学に先立ち会社概要とテーマの説明があった。同社では、現在、約7割を火力発電が占め、同発電所は、10ヶ所の火力発電所で3番目の発電規模を誇る。環境対応として、同発電所は、硫黄分などを含まないLNG(液化天然ガス)を主燃料としている。地球温暖化対策では、CO2量削減のため、火力発電の熱効率の向上として、ガスタービンとその高温排気ガスを再利用した蒸気タービンによるコンバインドサイクル発電方式が4つの発電機に採用されている。品質管理としては、安全かつ安定した電力供給のため、大規模な発電設備の保安管理は大変重要であり、法規制要求に基づく定期事業者検査や自主基準に基づく定期点検、日常点検などが実施され、ISO9001を基にした品質システムが構築され厳重に運営管理されている。
見学では、広い構内は良く整理整頓され、緑化など環境対策が実施されていた。高温蒸気を飽和水に戻す復水器から放流される海水の管理状況、取水口での異物除去装置、排煙を効果的に拡散する高さ200mを越える集合煙突、ボイラ、タービン、発電機やそれらを監視・制御するための中央制御室、変圧器の防音壁などを見学した。安定した電力の供給は社会インフラとして社会的責任は重大で、大規模な発電施設の安定稼動を保証するための設備管理の重要性を体感でき参加者には大変参考になったことと思う。
知多火力発電所の皆さまには、業務多忙の中、充実した見学内容と丁寧で分かりやすい説明に、この場を借りて厚くお礼を申し上げたい。
舟橋 俊三(日本特殊陶業(株))