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第343回事業所見学会ルポ
全日本空輸(株) ANA機体メンテナンスセンター

 
掲載日:2010/08/27 ルポの一覧に戻る

 航空機と聞いた瞬間に童心に帰るのは不思議である。そんな子供心を抱きつつ、5月18日(火)にANA機体メンテナンスセンターを見学させていただいた。センターを見学しての印象を私の娘流に言わせていただくと「飛行機デカッ!」「ハンガー広っ!」である。大きな機体の周りに整備を行う足場が細かく、そして正確に組まれ、そこで多くの方達が整備を行っている。その光景はまるで小人の国にたどり着いたガリバーが体中を縄で縛られ、沢山の小人に囲まれているようにも見えた。
  航空機整備にもいくつかの種類があり、1年〜2年毎に行う整備では1機の機体整備に60人で10日をかけるそうである。Qualityを専門とする我々は、ともすると航空産業と聞いた途端に機内サービスの質や空港カウンターサービスの質を考えてしまいがちであるが、航空機が安全に飛行できるのは確実な整備が行われているからであり、縁の下の力持ちである彼等の努力を無視することはできない。手作業による整備が多いことから、個々の技能を高めるための訓練の仕組み、QA Bulletinと呼ばれる技術文書の発行、さらには整備員のモチベーションを高めるための工夫などを聞かせていただいた。作業のちょっとしたミスが大きな事故へと発展しかねない業界であるからこそ、ヒューマンエラーを排除するために継続的な努力を行い、小さなミスを絶対に許さない姿勢はとても勉強になった。
  14:00〜17:00までの見学であったが、こんなにも早く時間が経過するとは思いもよらなかった。やはり、ワクワク感の度合いが違っていたのであろう。ハンガーの見学では機外からの写真撮影が許可されたものの、あまりに航空機が大きいため、カメラのフレームに機体を全て収めることはできなかったが、航空機をエンジンの真後ろからアップで撮る経験はそうそうできないであろう。おわりに、見学を受け入れてくださったANA機体メンテナンスセンターの皆様に改めてお礼を申し上げたい。

永井 一志(玉川大学)

 


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