平成22年4月16日(金)第348回事業所見学会がコマツ大阪工場にて39名の参加で実施された。会議室でのコマツ事業戦略、品質体系、人材育成の実践説明後、2台のバスで工場内まで入る見学が行なわれ大型建機の組込み作業を全員興味深く見学、説明を受けた。
広いエリアを熟練した作業者が安全迅速にクレーンを駆使して完成させていくが作業認定には技能訓練『匠道場』が存在し、品質レベルの維持管理を継続している。生産過程もIT入力にて工場内ディスプレイで上司が進捗、品質確認する仕組みが機能しており多種、少生産への転換も支障なく移行中との説明があった。
見学後の質疑応答では大阪工場の全部門責任者が出席し、参加者から熱心な質問、意見が多数出された。コマツは1917年に石川県に創設、世界第2位の建設機械メーカーで売上2兆円、従業員4万人の大企業であり、2006年からの現場力強化策“コマツウェイ”の実践ではモノづくり現場QCサークル活動の継続、活性化が有名である。また現場の品質管理のキーは「トップダウン」「ボトムアップ」と共に部課長クラスの「ミドルアップ・ミドルダウン」が重要であると認識し、ミドルの育成とミドルを核とした実践活動を推進、経営方針である品質と信頼性の向上活動に繋げている。
顧客戦略では(KOMTRAX)が新聞でも取り上げられたが魅力あるシステムである。小型で操作性に富み建機の稼働状況や使用環境がリアルタイムでデータ採取できコマツと購入顧客を直結一元化することができた。さらに故障や危険予測など建機に要求される“品質課題”を先取りできるツールとして評価は高く、業界全体に拡大されることを希望したい。大阪工場の拠点特徴として、国内数カ所の重点「マザー工場」の中で最重要部品“ギア=歯車”を一括生産し全拠点に供給していることも付け加えたい。広大な敷地での整理整頓された大型部品の在庫、配置などシンプルながらお客様志向を5S面でも工場全員が意識高く実践されている姿も印象的であった。
小西 龍太郎(皆見電子工業(株))