吉川 雅修(山梨大学)
第15回品質機能展開国際シンポジウム(ISQFD 2009)が、2009年10月22日と23日の両日、メキシコ合衆国ヌエボ・レオン州モンテレー市で開催された。同市での開催は2004年に続き2度目である。日米に続きISQFDを複数回開催した国となるメキシコの組織委員会の意気は高かったが、運悪く新型インフルエンザ問題の影響を受けた。所属組織から渡航を止められるなどで参加を断念した者がおり、参加者は約50人、論文発表件数は12件と、例年に比べて小規模となった。日本からの参加者も2組織計4名だけだった。さらに残念なことに赤尾洋二先生が都合で出席できず、ビデオレターのみの参加であった。
初日午前中はGlenn Mazur氏(アメリカ)による『方針管理』チュートリアルセッションで、今回は途中でワークショップが実施された。「効果的な休暇戦略」がテーマとして与えられ。会場は6グループほどに分かれてミッションの設定からSWOT分析までの過程をステップごとに発表しながら進めた。グループでの活動は、様々な国から集まった参加者間の交流にも一役買った。
初日午後は、今回の赤尾賞受章者となったWolfram Pietsch氏(ドイツ)の発表'Ethical Product Management employing QFD'に続いて4件の論文発表が行われ、2日目はブランド選択に関する基調講演'Why we drink beer'の後、7件の論文発表が行われた。発表論文の分野またはキーワードを列挙すると、グローバル化と文化差異、組織戦略とFuzzy Front End、サービス品質保証とビジュアルマニュアル、自動車生産とTRIZ、ソフトウェアプロダクト・ポートフォリオマネジメント、客室稼働率の向上、QFDの学習システム、Six Sigmaとの統合、バルク材料開発とDFSS、そして産業訓練カリキュラムとなる。
次回のISQFDは2010年9月22〜23日に米国のポートランドで開催される予定である。