2009年8月30・31日に、第17回ヤング・サマー・セミナー(YSS)が開催された。今年は(財)日本生産性本部様のご厚意により,同研修施設であるIPC生産性国際交流センターを使用させていただいた。参加資格は35歳以下の正会員・準会員であり、今年は企業から3名、大学教員4名、学生23名の計30名が参加し、講演と研究発表・討論が行われた。
初日はまず、筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻の庄司学氏に「地震・津波に係わる災害ハザードとライフラインシステム」という題目で、災害リスク軽減に向けたライフラインシステムに対する工学的対策の検討についてお話しいただいた。次に、東京電力(株)技術開発本部ヒューマンファクターグループの古濱寛氏に「災害等事例の調査・分析に学ぶ〜ヒューマンファクターの視点から〜」という題目で、ヒューマンエラーの分析・対策立案方法についてご講演いただいた。その後、早稲田大学の根本拓也さんが「原子力安全における不適合事象の要因分類に関する研究」、東京理科大学の堤雄亮さんと高田康平さんが「3水準系直交配列表における研究」の発表を行った。
夜には懇親会が行われ、参加者同士の親睦を深めるとともに、研究内容に関する議論が積極的になされた。
翌日は、東京大学の下野僚子さんが「病院業務における不具合分析手法」、東京都市大学の伊藤大造さんが「レストランにおける入店構造モデル」、名古屋工業大学の門野巧さんが「味覚評価における複合感覚の影響」という題目で発表を行った。最後に、電気通信大学電気通信学研究科システム工学専攻の鈴木和幸氏に「プラントにおける事故・トラブルの分析と未然防止」というテーマで、未然防止のための管理要因着眼点についてご講演いただいた。
今年度のセミナーでも、有意義な討論を行うことができた。こうした機会を与えてくださった学会の皆様に感謝し、今後のさらなる発展を期待したい。
梶原 千里(早稲田大学)