さる平成21年6月17日(水)に第344回事業所見学会(中部支部第86回)が、安城五十鈴(株)(愛知県安城市)にて開催された。『誰でもできる職場作り』のテーマの下、18名が参加した。
同社は、鋼板流通サービスを展開する五十鈴グループの中核を担う会社で、昭和63年創業以来、大手自動車、電機メーカーなどへ鋼板の提供を行っている。
見学に先立ち、会社概要紹介の中で「ATOM構想」と名付けられた「最適鋼板流通システム」にてお客様の要望に最大限にこたえるための活動に取り組まれている説明があった。これら独自の理念や方針がグループ全体に浸透し着実な成果、業績を上げられていることに感銘を受けた。
見学会のテーマについて3つの活動の説明があった。「安全を確保する自働化と教育」では経験の浅い社員に対する基礎教育とOJT、特に「安全」については徹底したリスクアセスメントをベースとした活動、「異材防止システム」ではITを活用した工程チェック、インターロックの採用や標準化の推進による発生/流出防止の活動、「流通全体を通した業務システム」では"S(SPEED)QCD"の考えに基づいた"安城流カンバン方式"活動などである。
見学では、広い工場を一通り巡ることができた。フープと呼ばれる指定寸法に裁断されたコイル材の製造工程では、大型スリッターやレベラーシャーでの生産の過程を見学することができた。また、出荷前製品置き場でのロケーションの工夫や安全対策など、説明のあった活動を肌で感じることができた。
充実した見学内容と丁寧な説明により、非常にわかりやすく、意義のある見学会であったと思う。また、参加者による意見交換会では、様々な意見が出され活発に意見交換ができた。素材メーカーと部品加工メーカーの間を取り持つ重要な役割が各種のものづくりを支えていることを改めて実感した。
木戸 敏裕(ブラザー工業(株))