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第338回関西事業所見学会ルポ
シスメックス(株)加古川工場

 
掲載日:2009/06/10 ルポの一覧に戻る

 平成21年3月6日(金)事業所見学会をシスメックス(株)加古川工場にて、38名の参加により実施した。マラソンの野口みずきでも知られている同社は1968年2月創業、現社員数約1870名である。事業分野は検査機器及び関連するソフトウエア・検査用試薬・保守サービス、血液分析のような検体検査や臨床検査・生体検査などもある。顧客は病院の診察室・検査室などや検査センター向けに開発から販売・サービスを含め現地生産・直接販売を原則としている。検体検査分野で世界10位、アジアで3位、国内1位である。
 加古川工場は1973年5月操業。300品目、80品種、従業員225名、外部サポート人員97名である。製品の8割が海外仕様であり、154カ国に輸出している。同社はQuick21に取り組み、生産活動支援情報システムを構築し活用することにより、品質マネジメントの向上を図っている。機器の生産現場では、セル生産方式、重要部品などは当社のコア技術である微細加工技術などにより内製化、ロボティクスによる省力化に取り組んでいる。また、IT技術と3D技術を取り入れ、新人現場従業員のOJTにビデオとイヤホンからの説明が必要に応じて幾度も再生できる3Dムーブマニュアル(特許出願中)を活用した現場作業の状況も見ることができた。このシステムは多能工の育成にも利用している。
 製品の検体機器の寿命は検体の種類によって変わるが5年を目安にし、製造中止後もパーツ等15年保証としている。工場内ではポスター類は全くなかったが、デジタル画像で情報を得ることができ、パートも含めて改善活動も活発で、年1回、12月に発表会を行っている。市場の機器の復旧サービス体制は電話対応、コールセンターによるリモートメンテナンス、これらで復旧できないときは2時間以内にサービスマンが現場に到着できるようGPSを活用している。
  6S活動のさわやかな挨拶を受けながらの現場見学であった。見学後は予定時間を超過するほどの活発な質疑応答があった。

宮下 文彬(関西大学)


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