去る9月7日から8日にかけて、第16回ヤング・サマー・セミナー(YSS)が(財)人材開発センター様のご厚意により同富士研修所にて開催された。今年は企業から1名、大学教員1名、学生21名の計23名が参加し、講演と研究発表・討論が行われた。
初日は、それぞれの分野でプロフェッショナルの道を歩まれておられる3名の方にご講演いただいた。(株)サントリー・品質保証部の岩田修二氏の「食品の品質保証」についての講演では、食品業界における品質の特徴や品質保証への取り組みを生産者側の視点からお話いただいた。次に、筑波大学システム情報工学科リスク工学専攻講師の伊藤誠氏より「信頼されすぎない高信頼度なシステムへ」というテーマで、ユーザーとユーザー支援システムとの関係についてお話いただいた。最後に、(株)角野品質管理研究所・代表取締役の角野久史氏に「不祥事事件(不二家・石屋・赤福)と中国冷凍ギョウザ事件を科学する」という題目で近年世間を賑わせている食品に関する事件について、長年現場で指導されている立場からの貴重なお話を伺うことができた。
夕食後の懇親会では、若手研究者同士の親睦を深めるとともに講演に関する議論や情報交換などがなされ、有意義な時間を過ごした。
翌日は5名の学生による研究発表が行われた。東京大学から鈴村彬さんが「地域連携モデルの作成」、早稲田大学から梶原千里さんが「看護師教育システム構築に関する研究」を、東京工業大学より小暮遼さんが「環境経営2.0」を、電気通信大学から土田靖生が「サービス・サイエンスに基づく教育の質的向上のための測定モデル」を、武蔵工業大学から荻原直矢さんが「対人関係におけるストレスの研究」という題目で発表を行った。
本セミナーは毎年自然に囲まれた素晴らしい環境の中行われ、今後の品質管理界を担う若手研究者に対し大きな役割を果たしている。感謝とともに、今後のさらなる発展を期待したい。
土田 靖生(電気通信大学)