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第332回事業所見学会ルポ
(株)ブリヂストン東京工場

 
掲載日:2008/10/15 ルポの一覧に戻る

 学部の学生にボルトの作り方を質問すると、十中八九の学生は金型に溶かした鉄を注ぐと答える。思わず苦笑してしまうが、タイヤの作り方となると自身が何も知らないことに気づいた。よい機会であったので、事業所見学会に参加させていただいた。
 タイヤの製造工程を見学し、何といっても驚いた。リングにタイヤの部材である様々なシートを巻きつけ、膨らませてポン!生タイヤの出来上がり。続いて加硫工程で待つこと15分、湯気が立ち上るホカホカのタイヤが出来上がり!まるで魔法を見ているようであった。
 素人が解説するほど簡単ではないのは承知している。どれだけのノウハウが裏に隠れているのかは計り知れない。たとえば部材を張り付ける位置がばらつくと、完成品としてのタイヤの特性も大きく変わってくるのであろう。部材一つをとっても、ゴムと添加物の配合比が重要なはずである。私などでは説明できないほどのノウハウが凝縮されているのであろう。
 工場見学終了後には会社で進められているAQS21活動(Action Quality Spiral-up The 21st century)についてのお話を聞かせていただいた。守るべき標準が守れないことの課題と改善活動による新たな標準作り等を含んでいるという。昨年の品質月間でも取り上げられていたSDCAとPDCAのサイクルを意味すると解釈した。グローバルベストを目指す企業でのTQM活動は原点にある思想を大切にしつつ、質の向上に対して絶え間ない挑戦をし続けていることが大変参考となった。
 学生にタイヤの作り方を質問した際に、どのような答えを返してくるかが楽しみである。

 


永井 一志(玉川大学)


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