2008年5月16日第331回事業所見学会が奈良県奈良市にある関西セキスイ工業(株)で開催された。
ここは全国に8つある住宅カンパニーの生産会社の一つで、関西地域の生産拠点とのことである。
今回のテーマは「CS品質の追求、お客様の声をいかしたモノづくり、家づくり」であった。
その具体的な対応は、見学コース最初の壁いっぱいに貼られたQKYマップに見られる。受注1件ごとにお客様の家造りへの熱い思いや期待の言葉がご家族の写真と共に1枚のシートにまとめられている。
そのお客様の期待に応える技術基盤は多数の同社の受賞・表彰暦に見られる。デミング賞をはじめ、科学技術庁長官賞、大河内記念技術賞、TP賞(総合生産性優秀賞)、TPM優秀賞、ISO14001、ISO9001認証取得、ゼロエミッション工場実現などなどである。
それらの中で、住宅メーカーとして初めて受賞のデミング賞は同社に方針管理のしくみを定着させ、それが今日の"GS21"につながっているとのことであった。
GS21とは「GO! FRONTIER Growing Sekisui 21」の略称で、成長フロンティアの開拓、世の中で一目置かれる「プレミアムカンパニー」、際立ちの磨き上げ、自らと会社の変革などのキーワードを含む新行動宣言のもとに、中期経営ビジョンが策定され、全社経営方針、事業部長方針へと展開される。
マネジメントシステムはQMS、EMS以外に労働安全衛生のOHSAS18001も構築され、活動展開はQMSフローを主体とする中でそれぞれ環境面、安全面への取り組み課題や、見直しを取り組まれている。
具体的には2008年度上期の計画を、1枚のシート上に色分けし品質、環境、安全、5Sの取り組みなどにて識別して展開されていた。
見学コースでは、工程のそれぞれのところで「顧客の声を大切に」を目の当たりにする思いであり、まさにもの造りはお客様とのコラボレーションを実感した一日であった。
柴田 倫孝(シバタ統合ISO研究所)