2008年3月11日(火)、(株)ヤクルト本社富士裾野工場にて、参加19名の中で第330回事業所見学会が開催された。
富士裾野工場は静岡県裾野市に1986年にヤクルトの主要工場として設立され、現在、敷地は約62000坪の中に約280名の従業員で、主要製品であるヤクルトやジョアなどを生産している。特に飲むヨーグルトであるジョアは80%の生産をこの工場で担当し全国に配送している。
そのような環境下、富士裾野工場では、「永遠にお客さまに信頼していただく」をモットーに、1997年に当時のISO9002認証を、翌年にHACCPの承認を受けている。現在ではプラントメンテナンスの視点でTPMも導入し改善向上を進めている。食品製造業であることや、発菌工程から始まる事業の特性から、友近工場長からの説明では「装置製造の特性、完全受注生産方式の採用、1工場で主要製品の生産をまかなっている特性などから、この工場では、MTBF管理が最重要である」とのお話が印象的であった。
富士裾野工場では通常でも多くの工場見学を受けている。工程は、仕込・培養ラインからはじまり、シロップ・容器ラインとドッキングし、充填・包装ラインに流れ、販社へ出荷される工程となっている。今、同様の食品関係の企業では多くの品質問題を露呈している中で常に見学を受けている姿勢は大変品質管理に自信をお持ちであるとの印象も強く感じた。今回は品質管理学会の事業所見学会ということから工場長の特別の計らいで、通常の見学コース以外にリサイクルセンターや工場排水浄化システムも見学をさせて頂いた。排水浄化システムはヤクルト容器の特異な形状特性を水浄化に生かしたシステムを運用しており、真の環境配慮への取り組みが見られた。
最後に質疑応答では、乳酸菌の人間への効能という基本技術をベースにした工場経営をされていることを改めて認識できた。
斉藤 忠(岡谷電機産業(株))