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第258回事業所見学会(中部支部)ルポ
アイシン・エイ・ダブリュ(株)岡崎工場

 
掲載日:2008/06/16 ルポの一覧に戻る

 さる平成12年4月21日(金)に第258回事業所見学会が「アイシン・エイ・ダブリュ(株)岡崎工場でA/T(オートマチックトランスミッション)・カーナビゲーションの品質作込み活動」をテーマに開催された.
 今回は見学会案内をしてから1週間で定員(50名)をオーバーするほどの申込があり、注目を浴びるものであった.(当日参加者54名)
 最初にビデオで紹介があり「世界NO1の夢と感動を世界へ」がAWの願いであり、馬の様な車を造りたいという主旨と柔軟な機構を持ったA/Tでドライバービリテイを向上させた説明があった.又カーナビではドアツードア感覚でビルの階数までも表示できる機器の開発説明があった.
 引き続き工場長より岡崎工場の説明がなされた.A/Tの特長・重点取り組み・生産準備、初期管理・日常管理活動などの説明があった.特に人材育成に力を入れ、「作業をABCランク付けし評価基準を明確にして作業を行ない再発防止横展活動を行なうことで品質意識向上を図っている」ところが印象的であった.
 現場ではナビとA/Tの組立・加工ラインを見学し、品質と生産性の改善活動の事例を見せていただいた.
 A/T製造ラインでは既存工場のコスト70%を目標に活動状況の説明を伺った.又省エネのため(1)溶接工程のやり方を止めたり、替えたりして部品の一体化とした(2)溶接法を変え、2つの部品をくっつけてひずみを無くした(3)プレス加工の1発仕上げで溶接をなくしたなど創意工夫で44%のエネルギー削減となったとのこと.
 又オイルバルブボディの加工では切り粉をいかに出さないか又洗浄機の負荷をかけない工夫がなされているところの説明があった.
 特筆なのは毎日「朝市」のコーナーがあり問題点を翌朝に提示し重役も入っていろいろを検討されていることである.
 以上の見学の後、活発な質疑が繰り広げられ、定刻の時間を過ぎてしまった.
 全体の印象では、昨今の厳しいコスト社会の中でコスト削減していく前に、まず品質を第1に優先させながら、従業員の創意工夫による改善の積み上げで省エネ・原価の低減がはかられ、着実に世界1のアイシン・エイ・ダブリュを目差して活躍されていることが感じられた.アンケートの結果をみても見学者は非常に有意義な1日であったと満足な回答が多かった.

服部 裕(竹中工務店)


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