平成16年3月13日(土)エス・バイ・エル(株)S×L梅田ホールにて講演会が開かれた。
中島支部長の挨拶の後、(株)ジーシーデンタルプロダクツ(以下GCDP)経営企画室岡田政剛氏(受審時はGQC推進室課長)に依る講演はデミング賞実施賞の受賞の経緯を懇切丁寧にご説明頂いた。またご講演の内容は選考理由で示された事柄を網羅されていた。すなわち、「社是『施無畏(せむい)』に基づいて、『相手の立場に立った取り組み』を全社的に展開し、独自のアプローチのVISION経営を推進しており、全社一丸となって品質経営の向上に努めてきた結果、意欲的な新製品開発がなされ、顧客満足の向上、人材の育成がはかられるとともに着実に業績をのばしている」という内容であった。
岡田講師の自信に満ちたお話ぶりはデミング賞実施賞の重みと感動を改めて参加者に与えて頂いた。
GCDP社のTQM活動は1980年のQCサークル導入から始まり、GQC、GQM活動として全社的に展開されISO9002、ISO14001認証取得を経ながら、2003年度デミング賞の受賞となった。受賞直前の2001年にはGQM強化宣言がなされ、以下の8つの機能別に展開が強化された。すなわち、(1)方針管理、(2)品質保証、(3)新製品・新技術開発、(4)生産量管理、(5)利益管理、(6)人材育成、(7)標準化・IT化、(8)環境管理であった。これらの8機能をGCDP社の独特な実施方法でTQM活動として展開された。特にDPPIと呼ばれる工場革新プログラムでは他社の追随を許さない輝きがある。
受賞までの苦労話が講演のみならず配付資料でも数多くご紹介があった。また、質疑応答ではSQC手法活用、GQM活動の仕組み、受賞して良かったこと悪かったこと、女性の人材開発、ヒカリモノなど山口常務や指導の細谷先生を交えて丁寧にお教え頂いた。
講評での岩崎関西支部幹事長の「当たり前の進め方を地道にやって好業績を実現している」が印象深い。
泉井 力(関西大学)