去る平成19年9月11日(火)に第326回事業所見学会(中部支部第82回)が、津田工業(株)豊川工場にて開催され、『顧客の生命、財産に重大な影響を及ぼす商品品質を考える「津田方式による未然防止の実践活動」』のテーマの下、60名が参加した。今回の見学会は、7月開催のシンポジウムでの都築社長の同テーマでの事例講演内容について、実際にその現場を見学して理解を深めることが狙いであった。
同社は、昭和9年創業後、主に高品質・高精度が要求される自動車用駆動系、ボデー・シャシー系部品等の製造販売を通じて、その卓越した技術力(冷間鍛造・樹脂成形・精密切削)の蓄積をもって成長を続けてきた企業である。現在では、国内・海外あわせて5拠点(刈谷・豊川・富山・タイ・中国)を持つ。
見学に先立ち、柘植常務より同社の製品は大半が車両の「走る」「曲がる」「止まる」に関する重要機能部品、という背景と共に、不具合流出による市場での重大事故回避が同社の使命であることを踏まえた独自の手法(津田方式)が改めて紹介された。
見学では、各生産工程における画期的な管理・改善手法として、(1)QRコードと分光分析のダブルチェックによる異材混入防止管理体制の整備、(2)大型6段フォーマーライン導入による工程数の大幅削減、(3)ダントツ品質工程におけるチーム活動による不良低減の見える化、(4)4M変化点管理板による変化点と対応の明確化などが事例をもって説明され、同社の品質・生産性の向上への強い姿勢を印象付けられた。また、(5)津田方式モデルラインにおいては、標準類、不具合サンプルなどに重要管理マークが明示されており、シンポジウムでの講演内容について理解が深まったことで、参加者も大いに満足していた。
今年度より新企画として開催してきた「参加者意見交換会」も今回で3回目を数え、活発な意見交換の下、参加者の相互啓発の一助となり、事業所見学会の中に定着してきたとの感触を得た。
築山 浩克 (トヨタ紡織(株)