2007年8月3日(金)、第325回事業所見学会がJFEスチール・東日本製鉄所で開催された。台風一過、猛暑での開催であったが34名と多くの参加者があった。
JFEスチール(株)は2003年に日本鋼管(株)と川崎製鉄(株)とが合併して発足したが、当千葉地区は旧川崎製鉄(株)の工場であった。現在、当社の製鉄生産量は世界第4位であるが、その技術力および設備は世界のトップクラスに位置している。
会社概況説明を受け、製鉄ビディオを見た後に、バスで構内を見学した。敷地はなんと820万u(東京ドームの176倍)もある。大きく分けて、工場は3つあり、我々は溶鉱炉のある「東工場」と熱間圧延工程のある「西工場」を見学させて戴いた。
「鉄は熱いうちに打て」のことわざの通りに、厚さ30センチほどの羊羹状の赤い銑鉄板が600メートルの一貫圧延工場で、厚さ数センチの帯鋼に時速100メートルのスピードで加工される工程は、見学者を圧巻するものがあった。以前、同工場を見学したことがあるが、当時は溶鉱炉から取り出した真っ赤に燃え上がる銑鉄が作業員の足元を流れ、上半身が裸身の作業員が忙しく動き回っていた。また、鋼板の傷の検出は目視で行われ、多くの作業者が工程内で監視作業をしていたことを思い出す。現在は、従業員も当時の1/3の人員となり、しかも鋼板生産量は当時より数倍上がっていると説明があった。確かに、工場内にはほとんど人が見られなかった。また、品質の作り込みもチェックや検査に頼らずに、源流で確実に管理する体制が確立されている様子が伺えた。製鉄産業は二酸化炭素の排出量も多く、環境への取組みも大きな課題として、真剣に取り組んでいた。
「鉄は国家なり」といわれるが、バブル経済の崩壊後、日本の産業の勢いが弱くなったように感じたが、日本の基幹産業が世界トップに君臨して、力強く歩んでいる様子を目のあたりにして、暑さを忘れて帰路についた。
山崎 正彦(元・コニカ(株))