さる平成19年4月24日(火)に第319回事業所見学会(中部支部第80回)が、味の素(株)東海事業所(三重県四日市市)にて開催された。『味の素(株)東海事業所における食と医薬の品質保証』のテーマのもと、47名が参加した。
同社は100年前の「昆布出汁からの旨み成分グルタミン酸ソーダの発見・抽出」に始まり、以来味の素の開発製造などを続けている歴史の長い会社で、東海事業所は1961年より操業を開始し、現在は鰹節を原料にした「ほんだし」や人工甘味料・化粧品・医薬品等を製造している。
見学では主力商品の「ほんだし」の製造工程を案内され、大きな設備をたった1人で運転監視しているという事実に参加者一同驚かされた。また、食品工場でありながら、敷地内でもほとんどその匂いを感じることがないという、周辺環境に対して十分な配慮がなされていることを実感した。さらに、敷地内にはバードサンクチュアリという自然生態系をそのまま保存しているエリアがあり、ほぼ自然の姿のままの池や林には、野鳥・昆虫・魚などが多く生息しており、この点でも環境への優しい配慮が感じられた。
見学後には食品・医療分野各々の品質保証部門の方より、見学会のテーマである「食と医薬の品質保証」についての講演会が行われた。食については、世界の色々な宗教に対応した品質保証が実践されており、医薬については直接命に関わる商品のため非常に厳重な品質管理・保証を実践されていることを、事例をもって説明され、大変素晴らしい管理をされていることがよく理解できた。また、人工甘味料を味見する「アミノ酸体験」が行われ、参加者の「アミノ酸」に対する認識が新たになったと思われる。
今年度より新企画として「参加者意見交換会」を開催した。見学・講演後に参加者が実感した種々の意見を相互に出し合い議論した結果、自分とは違う意見が聞けたなど好評で非常に有意義な企画となり、企画をした幹事として大満足の結果となった。
水谷 政昭(新日本製鐵(株))